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不斉水素化は

 分子状水素を使った二重結合の還元で立体中心を分子に付与する。ただし不斉水素化はオキシムのN–O結合の切断も引き起こしてしまう。キラルオキサザボロリジンボラン付加物を使ってエナンチオ選択的にオキシムをヒドロキシルアミンに還元することは可能であるが、この反応では好ましくない副生成物も与え、また費用もかかるために、大スケールのプロセスにはそぐわない。それに対してここでは、Irとキラルシクロペンタジエニル配位子との組合せが酸性条件下でオキシム還元を達成することが報告された[1]。反応はオキシムエーテル、N-OHを持つオキシムでも、きしむことなく進行する。これによって98%以上の選択性で期待の鏡像異性体を導くことができる。実際0.05 mol%の触媒を使って25 gのオキシムが水素化されている。反応は期待のメトシキアミンを定量的に与え触媒は不活性になる前に4000回反応を促進した。この発見は、水素化が難しい基質の反応の詳細な設計図を示しており、触媒としてキラルシクロペンタジエニル金属錯体の有用性が強調されている。オキシム還元の成果、おっきいし、と知らしむべしや。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 June 8, p. 9.

[2] DOI: 10.1126/science.abb2559

20..6.26

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