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イカやタコのような

 頭足動物は変装の達人ならぬ達動物である。環境に応答して特殊な肌の色が変化する。このカモフラージュの能力を研究者らは人の細胞に付与した。研究者らは人の腎臓の胚細胞を遺伝子改変し、頭足動物の肌の細胞や臓器に光学特性を与える反射と呼ばれるタンパク質を製造した[1]。反射タンパク質は、人の細胞の屈折率を変化させた。反射ナノ粒子のある細胞の領域は、頭足動物の肌とほぼ同様の屈折率を示した一方で、ナノ粒子のない領域では、哺乳類の細胞の細胞質と同様の屈折率を示した。そこで研究者らは反射ナノ構造を含む細胞の光学特性を、それらが成長する溶液のイオン性を調整することによって、チューニングできた。頭足動物の細胞を実験室で成長させるのは難しいことから、遺伝子改変した人の細胞は反射に関する研究の道を開く成果である。また反射ナノ構造は、位相差顕微鏡法での生体分子タグとして利用できる。頭足動物の体の中の法則、明らかにされようとしている。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 June 8, p. 7.

DOI: 10.1038/ s41467-020-16151-6

20.6.22

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