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スペインとイタリアでの

 COVID-19患者1610人のゲノム研究の結果、O型の人よりもA型の人の方が重度の呼吸器不全になる可能性が高いことがわかった。そこで患者のゲノム配列と2205人の健康人のDNA配列とが比べられた。その結果DNAの二つの領域が、人の病気の重度とかなり関連していることがわかった。それらのうち一つは人の血液型をコードする遺伝子を含んでいた。結果は、medRxivに審査前の論文として掲載されている[1]。この結果について2002から2003年のSARSの研究に関わった研究者らは次のように類推している。血液型は特殊な糖鎖分子で決定されている。それは血液細胞や他のタイプの細胞のタンパク質あるいは脂質と連結している。A型B型の人はそれぞれのAまたはBの糖鎖抗原を有している。一方でO型の人はどちらの抗原も持たない。そこでA型の人の免疫系はB型抗原に対する抗体を、B型の人はA型抗原に対する抗体をつくり、O型の人は両方に対する抗体をつくる。SARS-CoV-2のスパイクタンパク質はかなりグリコシル化されているために、ホストの酵素を借りてさらに糖鎖をもらうことになる。またスパイクタンパク質は、感染したホスト細胞の血液型の抗原も取り込む。そこでA, Bいずれの抗原にも抗体があるO型では肺疾患に対して対応できるのかもしれない。この肺疾患についての情報、配信可能です。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 June 15, p. 7.

DOI: 10.1101/2020.05.31.20114991

20.6.19

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