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シトクロムP450は

 酸化還元酵素ファミリーである。ただこれらは結晶化が難しく遺伝子情報の解読も進んでいない。そのファミリーの中のCYP116B46は好熱性細菌でつくられるが、その構造解析に研究者らは成功した[1]。これまでこの挑戦的課題に取り組んでいたグループは部分構造しか示すことができていなかった。この成果によって還元酵素ドメインや電子移動のパスの遺伝子操作が可能になる。CYP116B46は比較的安定だったためにX線結晶構造解析を行うことができた。タンパク質は、ヘムドメインとフラビンモノヌクレオチド(FMN)を含む還元酵素ドメインからできている。これら二つの部位は、鉄イオウクラスターを含むフェレドキシンドメインを介して繋がっている。FMN部位と鉄イオウクラスターの距離が近く、直接の電子移動が可能である一方で、ヘムはこれらのクラスターからかなり離れていて直接の電子移動はできない。そのため電子は、タンパク質の中の別の極性残基を介して循環している可能性が示唆されている。このことは、バクテリア酵素の低い活性を説明する一助にもなるだろう。シトクロムP450、知っとくといいです。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 June 1, p. 9.

DOI: 10.1038/ s41467-020-16500-5

20.6.14

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