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COVID-19ワクチンを

 開発する四つのグループからその途中経過が公開されている。フェーズII試験の結果を含んでいるが、これらのワクチンのうちどれが有効であるかを示すことは時期早尚である一方、結果は有望でいずれのワクチンもたいていの人で免疫応答が観測されている。ただしこれら四つは違った方法で免疫応答を評価しているために有効性を直接比較することはできず、大規模なフェーズIII試験が必要である。これらのワクチンはいずれもSARS―CoV-2スパイクタンパク質を体内に発生させて、これに対する抗体が2~4週間以内に体内で成長する。ただし課題山積である。スパイクタンパク質にバインドした抗体が感染を防ぐことは保証されていない。ほんのわずかな抗体、すなわち中和抗体だけが、まさにピンポイントで感染を防止することが可能である。ただしこの中和抗体の測定には、より多くの経費と時間も必要である。また抗体応答の寿命も別の因子である。あるグループのワクチンでは、高いレベルの抗体が観測されたものの、2週間後には急速にそのレベルが低下していた。安全性と副作用の問題:四つのワクチン全てが、疲労、頭痛、筋肉痛、不快感、悪寒、発熱のような副作用を引き起こし、ワクチン投与量が多くなるとその程度も大きくなる場合もあった。年齢によるワクチンの効果について:あるワクチンは55歳以上の人では抗体応答がかなり後退していた。他の三つのワクチンの試験には18歳から55歳までの、しかもほとんど白人が協力した。フェーズIII試験は55歳以上や別の人種の方々でも行う必要がある。浮沈するワクチン開発、不惑でチャレンジされますように。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 July 27, p. 4.

四つのグループ:米国企業Moderna、オックスフォード大学(権利はAstraZeneca)、中国企業CanSino Biologics、Pfizerとドイツ企業BioNTech

20.7.28

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