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深海に棲む

 生き物の生物発光は、暗闇を鮮やかに照らす。この秘訣は超黒い肌が鍵であることが報告された[1]。16種類の深海魚の肌を分析した結果、これらはわずか0.5%以下の光しか反射しないことがわかった。鳥や昆虫は、超黒い配色を、ケラチンやキチンのマトリックスの中にメラニンを埋め込むことによって、行っている。一方魚の肌の透過電子顕微鏡では、メラニンが詰まった細胞構造しか観察されず、このことは色素だけが色に関係していることを示している。これによって、肌が吸収しない光は脇に飛び跳ねて、近傍で吸収されることになる。この新たに発見されたメラノソ―ムの構造は効果的で、関連のない魚でも見つかる可能性も高い。深海の深さでは、カモフラージュは重要な生存戦略である。隠れる場所がないためフットボール場で「かくれんぼ」をするが如くである。超黒い肌は、ミツマタヤリウオのような大洋の捕食者から魚たちを護るだけではなくて、自身が発する生物発光で、食い尽くされるのを防いでいるかも知れない。深海も研究しんかい、未開領域です。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 July 20, p. 8.

DOI: 10.1016/j.cub.2020.06.044

20.7.31

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