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異なる鏡像異性体は

 生体内や工業プロセスでも違った化学を表現する。そのうちの正しい異性体の収率を制御することは、合成化学、医薬品化学では手間と時間のかかるプロセスである。その中今回、驚異的に単純で短いステップの合成法で、ある種のキラルアミンの一方の異性体だけを選択的に得られることが報告された[1]。研究者らはIrシクロオクタジエン化合物とキラルなオレフィンを用いて、溶液中でキラル触媒を調製した。これは不斉合成反応の常套手段である。6分後、S異性体が84-99%鏡像体純度で得られた。研究者らがこの反応を10時間続けたところ、R体を74-99%鏡像体純度で得た。この系では触媒はS選択的でかつそれを素早く与える。ただし時間が経つにつれてそれが分解して、より安定なR体が生成する。この現象は反応の10分ごとの経過を追跡して発見された。またこれまで不斉触媒で同様の観測が行われてこなかったことに研究者は当初衝撃を受けたけど、今では他の反応でも同様の現象が観測されるか探索を行なっている。時間経過を実感、次の計画を立てる系です。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 July 6, p. 7.

DOI: 10.1021/acs.estlett.0c00410

20.7.22

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