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噛む、咀嚼する、スライスする

 など人の歯は一生、摩耗に耐える。この回復力は歯のエナメルの硬さにも起因している。そのエナメルが以前考えられていたよりもさらに化学的に複雑だった[1]。人の歯のエナメルはヒドロキシルアパタイト(Ca5(PO4)3(OH))が、タイトに詰まった晶子である。ただし晶子の内側が謎である。例えば晶子の内側は酸に溶けるが外側は溶けない。このことは晶子が均一の化学組成ではないことを示唆していた。そこで研究者らは、走査型透過電子顕微鏡(STEM)や3D原子イメージング(APT)を使って人の歯のエナメルの内部構造を可視化した。STEMは晶子には区別できる殻やコアな領域があることを示していた。さらにAPTはコアな領域は二つのマグネシウムのサンドイッチになっていて、中央部分の側面は、炭酸塩、ナトリウム、フッ化物が豊富であることを示していた。さらにコンピューターモデルが使われて、マグネシウムが中央に入り込むことによってヒドロキシルアパタイトが歪み、材料にストレスをかけることが示された。この場合ストレスが晶子を強化している。またマグネシウムの濃度勾配が人のエナメルの硬さに寄与し、コア部分では酸に溶ける傾向にあることが類推された。晶子の詳細、わかりましたか。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 July 4.

DOI: 10.1038/ s41586-020-2433-3

20.7.17

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