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生体顕微鏡検査は

 生きた動物の数ミリメートルの深さにある細胞を撮像するのに利用する。それに対してここでは顕微鏡が出す近赤外領域の二光子を利用した生体内3-Dバイオプリンテイング法が開発された[1]。研究者らはまず、生体適合性ポリマーで、近赤外の光に応答してヒドロゲルを形成するものを探索した。生体適合性ポリエチレングルコールやゼラチンポリマーにクマリン誘導体を結合させてバイオインク溶液を作成した。ついでバイオインクをネズミの体内に注入し、先の市販の二光子顕微鏡を使って、欲しい印刷パターンの近赤外光を照射した。層ごとにフォーカスした近赤外光をスキャンすると、体内に3-Dヒドロゲル物体を組み立てることができた。これによって外科手術することなく、筋肉や脳の中の肌の中に、小さな構造物を組み立てることに成功している。さらにこれらの印刷されたヒドロゲル構造は、新しい細胞の形成を促すこともできた。バイオインクに幹細胞を加えて平行に印刷すると、ネズミの中でそれらは成長し、天然の筋肉と同じ方向に配列した筋肉繊維になっていた。研究者らはこれらの実験でネズミに副作用を観察はしていない。ただし生体顕微鏡を使っているため肌の2-3 mmの深さの部分が限界である。それでも例えば角膜の手術には利用できる成果である。なお同様の生体内3-Dバイオプリンティング技術は他の研究者らも報告しているが、近赤外光波を変化させるためにマイクロミラーデバイスが使われている[2]。生体内で印刷、痛いないんでしょうか。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 June 29, p. 4.

DOI: 10.1038/ s41551-020-0568-z

[2] DOI: 10.1126/sciadv.aba7406

20.7.12

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