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陸水生態系で

 水銀は大惨事をもたらすが、そのモニタリングは野生生物に対する危険を伴う。研究者らは今回、トンボの幼虫が有毒な水銀の監視員として働くことを示した[1]。無機水銀が食物連鎖に入リこむと、それは神経障害を引き起こす毒であるメチル水銀に変換される。ただし「無機水銀のレベルがメチル水銀の生態系への蓄積と相関がある」、そう考える場合がすべてではない。そのため研究者らは生きた動物からサンプルを集めて、環境中の被毒リスクを理解しなくてはならない。その中トンボの幼虫は、水銀を蓄積する生き物で、大陸の陸水生態系で広く暮らしている。4000人の市民科学者の協力を得て10年かけて研究者らは、100の国立公園からトンボの幼虫を集めた。ついでそれらの水銀レベルは、同じ時にサンプリングした別の生命体のそれと相関があったことから、様々な場所に棲む魚や別の野生生物の水銀濃度を類推することができた。さらに生物的因子の、食物網に入り込む無機水銀量への影響が示された。これによって動物の生息場所の水銀レベルを緩和するための管理技術に情報を渡すことも可能になる。トンボ、道頓堀でも見かけますか。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 August 3, p. 6.

DOI: 10.1021/acs.est.0c01255

20.8.19

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