« 深海に棲む | トップページ | 古代ローマ人は »

輪状の

 分子集合体を合成しようとしていたところ研究者らは、単純なモノマーから非結合性相互作用だけでつながったナノスケール鎖を組み立てた[1]。これは化学におけるオリンピック級の手柄である。水素結合相互作用だけで、六員環スプラマクロサイクルが形成されている。この雪の結晶のような構造が積み重なりさらに曲がって蛇のような構造やヘリカルコイルを形づくる。研究者らはある種の極性と非極性溶媒を混ぜた時に、環が連結することを観測した。さらに環の内側は、別の環を形成するように仕向けられていた。環の溶液にモノマーを加えていくと、22までが繋がった長いスプラモレキュラー鎖を形成した。このような大きくて、一定の大きさの環が曲がったり輪になったりするプロセスは注目すべきであり、機械的にかみ合わさった大きな長さのスケールの分子構造の特性を探究する道を開く成果である。この成果を公表した日本の研究者らは最初、オリンピックゲームのシンボルに類似の五つの輪がリンクした鎖を作成したことから、成果を東京オリンピックの年に出版したかったとのことである。オリンピックは延期されたものの、2020年に礎が公開された年、TokyoならぬChiba2020になった。環を見て考えて、感動されたでしょうか。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 July 20, p. 11.

DOI: 10.1038/ s41586-020-2445-z

20.8.1

|

« 深海に棲む | トップページ | 古代ローマ人は »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。