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マルガリータ

 テキーラベースのカクテル、リキュールにライム・ジュース。これを家庭で作っていたサイエンスライターの女性、手がただれてしまった[1]。ライム果皮はフラノクマリン類の光増感化合物を含む。ニンジン類や別の柑橘果皮や多くの他の植物も光増感フラノクマリン類を含んでいる。ここでお困りんになるのは、それらが植物性光線皮膚炎[2]と呼ばれている現象を引き起こすためである。通常の日焼けのような症状であるが機構が違っている。フラノクマリンは皮膚細胞を浸透する。ついでUV-A光(315–400 nm)によって励起されると、それらはRNAやDNAにバインドする。その付加生成物がさらに紫外励起されると交差連結が進行し細胞死に至る。酸素の存在下ではフリーラジカルが発生し、さらに皮膚細胞が損傷する。初めに起きた反応はチロシナーゼを刺激しメラニンがつくられて、これで肌が黒くなる。この反応はフラノクマリンと紫外光の両方が必須である。そのため料理やカクテル作りの後は、手をしっかり洗うか、日焼け止めを塗るとよい。マルガリータ、ライムを皆無にはできない。

[1] Chemical & Engineering News 2020 August 3, p. 9.

[2] 植物性光線皮膚炎:phytophotodermatitis

20.8.24

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