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米国の発電所から

 年間およそ20億トンのCO2が排出されている[1]。これを工業的に捕捉する方法はアミン水溶液を使うことである。ただし吸収したCO2を放出する際に、エネルギーを必要とすることも課題である。十数年前からアミンで修飾した金属有機構造体(MOF)でCO2捕捉が試みられてきた。例えばジアミノ基を内側に組み込んだMg2(dobpdc)として知られているMOFがCO2を選択的に吸着し、ほとんどエネルギーを必要とせずにそれを放出できることが報告された[2]。ただしその後ジアミノ基がMOFから外れていくことがわかった。それに対して今回、より安定なMOFが開発された[3]。それはMOFが持つ孔同士の長さにフィットした四つのアミノ鎖が組み込まれている。この新しいMOFは、米国エネルギー庁のCO2捕捉目標を満たし、低温蒸気を使い1000回の繰り返し使用でも安定である。炭素捕捉のスペシャリストは、今回のMOFや関連化合物は、CO2捕捉の実用的かつ低エネルギープロセスになり得ると予測している。特に通常のMOFでは分解してしまう高温でも低温でも安定に利用できる点、特筆すべきである。今回のMOF、NHKの「モフモフ」に登場するかな。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 July 27, p. 6.

[2] DOI: 10.1021/ja300034j

[3] DOI: 10.1126/science.abb3976

20.8.7

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