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様々な結晶系

 多形体に結晶化できる化合物はほとんどない。最も多産の一つであるROYとして知られている低分子にここでは新たに二つの多形体が加わった[1]。多形体は、医薬品として使われる際にも独自の特性を示し、標的の多形を生み出すための方法が開発されてきた。20年以上もの間研究されてきた2-アミノチオフェンを含むROYは、十数個の多形体をつくり、さらに多くの多形を形成させる秘策があるのではないかと研究が継続されてきた。その結果二つのグループから新たなROYの多形体が報告され、これによって14の多形体で、そのうち11の単結晶X線構造解析が行われている。新たな成果の一つはROYの分子サイズと形は模倣し組成がわずかに異なる化合物による。研究者らは、混合結晶播種法によって配座や構造にほんのわずかな変化を引き起こさせて、新しい結晶すなわち純粋な薄いオレンジ結晶を得た[2]。別のグループは、結晶化の条件をハイスループット法によって探索した[3]。それによって化合物と有機溶媒を含むナノリットル液滴中で結晶を成長させて深赤色のブロック形のROYの結晶を得ている。色々な形のROY、面白いです。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 July 27, p. 9.

ROY:赤(Red)、オレンジ(Orange)、黄色(Yellow)の多形体として結晶化することからROYと呼ばれている。黒いわけではない。

[2] DOI: 10.1021/jacs.0c04434

[3] DOI: 10.1016/j. chempr.2020.04.009

20.8.9

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