« 年間25百万トンのエチレンが | トップページ | ひずみのある »

計算化学によれば

 フラーレンケージでトラップされたアクチノイド元素は、特異的な金属–金属結合を形成する。それは非常に長い共有結合やσ結合を伴わないπ結合を含む[1]。これまでアクチノイド金属結合としては、気相中のU2とTh2と80炭素フラーレンの中のU2を含むいくつかが知られているだけである。その中今回の計算結果は別のタイプの結合がフラーレン中で形成することを予言している。ここではC70, C80, C90フラーレンの中で、AcからCmまでの元素の間の結合がモデル化された。ケージは金属間同士を接近させるだけではなくて、金属間の結合形成の電子的条件を向上させている。プロトニウムが最も興味ある系で、バナナ形σ結合をC70内で形成、C80内ではσ結合なしに二つのπ結合を形成、C90内では、これまでで最も長い金属–金属結合(5.93Å)が見られた。ただしこれらは計算上の結果であり、さらに洗練したモデルを構築し、電子相関や相対論効果も含める必要があるが、研究者らはそれらを含めても結果は変わらないだろうとしている。またアクチノイド間結合に加えて、アクチノイド–フラーレン系は、先端エレクトロニクス分野で、スイス・アーミーナイフのように万能な分子素子として使えるかもしれない。アーミーナイフ、危みないふです。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 September 7, p. 6.

DOI: 10.1021/acs. inorgchem.0c01713

20.9.27

|

« 年間25百万トンのエチレンが | トップページ | ひずみのある »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。