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年間25百万トンのエチレンが

 製造されている。これはプラスチック、ポリマー、長鎖炭素化合物に変換される。その原料は化石燃料であるため、それ以外の方法が探索されている。ただし現状では工業的需要を満たす大スケールな代替の製造方法は提唱されていない。その中酵素や遺伝子改変した細菌を利用する系も開発されているが、酸素が必要であり、エチレンと酸素の混合は爆発の危険がある。それに対して今回酸素を使わずに、エチレンとメタンを生産することができる細菌酵素が発見された[1]。この細菌は土あるいは新鮮な水から得られる。基本的には、微生物が残したイオウを含み2-(メチルチオ)エタノールに分解される代謝廃棄物がエチレンの原料になる。メチルチオ-アルカン還元酵素が分子からイオウを除去しエチレンが放出される。酵素は環境中のジメチルスルフィドからメタンを生産する。細菌がこれらの反応を使うのは、イオウの量が少ない環境の場合に限られる。細胞は、重要な生体分子であるメチオニンやアデノシルメチオニンをつくるためにイオウを必要としており、それがエチレン、メタン生産につながっている。化石燃料で稼ぎますから脱却したい。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 September 7, p. 6.

DOI: 10.1126/science.abb6310

20.9.26

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