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群飛は

 バクテリアの典型的な集団行動である。普段からのその動きは単に動くだけではなくて、その間に、バクテリアに特異的な耐性発現機構を駆動させるシグナルを発信している。さらにそのシグナルを発信したバクテリアは死ぬ。この群飛大腸菌が死ぬ際に、AcrAと呼ばれるタンパク質を放出することが解明された[1]。このタンパク質は、AcrAB-TolC発散ポンプの一部で、バクテリアは細胞外に物質を放出するのに使う。死んだ細胞からのAcrAは、生きた大腸菌の表面のTolCと相互作用し、複数の防衛機構を刺激する。その機構には活性酸素の分解やTolCや別の発散ポンプの発現の増加を含む。研究者らは、別の群飛バクテリアも同様に種特異的なシグナル(necrosignals)を発信することも見つけた。このような振る舞いは、ある一定数のバクテリアの死が、群れ全体の生存を増加させるという、利他的行為の形であることを研究者らは提唱している。人も利他的を借りたい。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 August 31, p. 9.

DOI: 10.1038/s41467-020-17709-0

20.9.24

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