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ミトコンドリア膜電位は

 ミトコンドリアの機能を示し、ガンや神経変異病を含む多くの疾患で変化するものの、非侵襲的にそれを観測することは難しい。それに対して今回研究者らは、膜電位をモニターするための生物発光プローブを開発した[1]。プローブは、トリフェニルホスフィンに連結したルシフェリンとアジドトリフェニルホスフィンとでできている。いずれもトリフェニルホスホニウム塩のカゴの中にあり、ミトコンドリアを標的として、シュタウディンガー反応を引き起こし、ルシフェリンが放たれる。ルシフェリンは酵素ルシフェラーゼと反応して作用する。このプローブが遺伝子工学的に細胞やネズミに入れ込まれた。酵素反応が光を放出し、その強度はプローブの二つの部分の濃度に依存する。別の細胞と比較してミトコンドリアの中での反応加速が膜電位測定を可能にする。研究者らはこのプローブを使って、年齢による膜電位の測定を行い、ニコチンアミドリボシドがこれを逆転しうることも示した。さらにガンに罹患したネズミについて、膜電位を調整できる抗生物質であるニゲリシンの投与前後での膜電位も測定した。ミトコンドリア膜電位を見とこう、今度ではいかんです。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 August 10/17, p. 10.

DOI: 10.1038/s41589-020-0602-1

20.9.5

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