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ニンニクは

 数千年以上に渡って、違った香りのイオウを含む化合物を添えることで、食を豊かにしてきた。パンチの効いたアリウムは、疫病を含む感染の民間療法としても利用されている。一方で慎ましやかなニンニクの球根にはイオウに関する秘密が未だに隠されていた。研究者らはニンニクの中に含まれるアリシンへのこれまでには知られていなかった経路を今回明らかにした[1]。アリシンは特徴的な臭いがする香り化合物であり、生のニンニクを切ったり潰したりすると放出される。幾分不安定であるためアリシンは徐々に分解し別の臭い化合物になり、食べ物の中では魅力的になる一方で、呼気の中にはそれほど含まれない。ここで研究者らは、アリルメルカプタンをアリルスルフェン酸に酸化する酵素を発見した。ついでアリルスルフェン酸が縮合しアリシンが生成する。

 なおバンパイアを寄せつけない息、そこにはチオールが含まれるが、それを無臭の分子に変換には、生のフルーツや野菜に含まれる酵素を焦がすことで可能になる[2]。サラダやりんごを食べると呼気からニンニクの攻撃的な臭いを除去できる。バンパイヤ、ニンニクはイヤ、憎いや、である。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 October 5, p. 40.

DOI: 10.1074/jbc. RA120.014484

[2] Harold McGee ‘On Food and Cooking: The Science and Lore of the Kitchen’.

20.10.19

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