« NO2やオゾンは | トップページ | ニンニクは »

先の複雑さを解明するために

 研究者らは現在、ロックダウン期の微粒子汚染化学の分析を行っている。これによってNO2やオゾンに加えて、粒状物質を形成する別の空気中に浮遊する微粒子や物質の役割にたどり着こうとしている。粒状物質汚染の化学組成は、どの汚染物質が相互作用して形成されたかや天候に依存して大きく変化する。もし科学者が組成を同定できれば、ゴツゴツした反応経路を逆算することも可能になり、その原因の物質も推論できる。

 それに関するプロジェクトは2017年からデリーでは実施されていて、2019年に立ち上げられたプログラムでは、国内の多くの汚染された都市での粒状物質を、2017年比に対して2024年までには30%削減することを目的としている。インドの粒状物質の組成はかなり複雑である。主な粒状物質は加熱や料理のための木や石炭の燃焼、建材のごみ、廃棄物の焼却に由来し、二次的にはディーゼル発電機、交通、発電所さらに肥料によって放出される物質の反応に由来する。

農業関連の焼却もまたデリーの大気汚染の主な原因である。デリーの粒状物質の組成をモニターしているチームはいわゆるPM2.5に注目している。酸化窒素や硫酸塩による汚染は、ロックダウンの間に劇的に減少した一方でPM2.5は緩やかな減少だった。その後デリーの南東での小麦の収穫の時期のバイオマス燃焼に関連していると思われる粒状物質が急激に増えた。PM2.5のレベルが劇的に低下しなかった様に、その化学組成も極端には変化しなかった。ロックダウンの間の大気の質の変化が緩やかだったことは、単に交通からの都会の排出を減少させても効果的でないことを示している。ニューデリーのPM2.5は他の場所由来である。大気の質の改善を達成するためには、インドの都市だけではなくて、周辺地域も注視する必要がある。デリーもでえりゃあ複雑です。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 September 28, p. 34.

ロックダウンと大気汚染最終回、お付き合いありがとうございました。

20.10.18

|

« NO2やオゾンは | トップページ | ニンニクは »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。