« 交通手段からのNO2排出の落ち込み | トップページ | NO2やオゾンは »

NO2排出が60%急落し

 微粒子物質が31%低下した中、世界のオゾンの平均値はわずかに上昇した[1]。別の研究でも米国全体では、粒状物質が着実に減ったわけではなかった[2]。人為的な排出が減少しても、オゾンのような汚染物質が空気中で発生し、間接的に上昇する。

 実際主たる排出が劇的にカットされたことが深刻な大気汚染を引き起こした。例えば北中国やロスアンゼルスでは、厳格なロックダウンの時期に、非常に激しいオゾンの上昇が観測された。これらはほとんどすべての交通や工場をシャットダウンした中で起きたことである。

 ロックダウンに対するオゾンの正確な応答は、何を初めに想定するかに依存する。酸化窒素の濃度が相対的に低い場合、さらにそれを低下させるとオゾンの減少を引き起こす。一方でロスアンゼルスや北京のように、酸化窒素の濃度が高い場合には全てが帳消しになる。酸化窒素が豊富な場合、それがヒドロキシルラジカルを吸収して、ラジカルが大気の揮発性有機化合物と反応するのを妨げオゾン形成を抑制する。また酸化窒素が十分にある場合には、それがオゾンそのものと反応し大気から取り除かれる。その結果都会ではこの化学が支配的でありNO2レベルの低下はオゾンのリバウンドを引き起こす。オゾン生成、既存の機構とは違うのか。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 September 28, p. 33.

[2] DOI: 10.26434/chemrxiv.12275603.v7

[3] DOI: 10.1038/s41557-020-0535-z

ロックダウンと大気汚染第四回

20.10.16

|

« 交通手段からのNO2排出の落ち込み | トップページ | NO2やオゾンは »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。