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DMSOは

 広い用途を持つ溶媒である[1]。ただしそれを蒸留している際に沸点(189 °C)付近の温度まで加熱すると、自己触媒的な暴走反応によって素早く分解し、熱と水素、メタン、二酸化炭素のような気体が発生する。この反応性の高さが爆発の危険に晒されて、多くの事故を引き起こす。今回企業研究者らはこの暴走の原因となるDMSOのいくつかの分解生成物を同定した。まず研究者らは、DMSOを窒素雰囲気下圧力容器の中で430 °Cまで加熱し、硫酸、メタンスルホン酸、酢酸、ギ酸を含む分解生成物を同定した。ついでこれらの酸をわずかな量、加熱する前にDMSOに加えたところ、分解反応がかなり促進されることがわかった。溶媒に空気あるいはCO2をバブリングすると同様の効果が観測された。別の研究者はDMSOには多くの課題があるため代替のより安全な溶媒を探すべきであること、そのためにACS solvent selection tool [2]を使うことを指摘している。結論は「DMSOを避けよ」である。DMSOと虚無僧、縁はない、多分。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 September 21, p. 5.

DOI: 10.1021/ acs.oprd.0c00113

[2] https://www.acs.org/content/acs/en/greenchemistry/research-innovation/tools-for-green-chemistry/solvent-selection-tool.html

20.10.3

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