« 2020年10月 | トップページ | 2020年12月 »

2020年11月

1,4-ジオキサン

 1863年初めて合成された[1]。この化合物大気に放出されて人が吸うとガンに罹患するリスクが高まる。それでも1,4-ジオキサンは屋外の大気中には、それほど長くはとどまらない。米国環境保護庁(EPA)によれば、1,4-ジオキサンの半減期は5時間未満である。それは光化学的に反応しヒドロキシルラジカルが発生してアルデヒドやケトンのような分解生成物に至る。一方それは高濃度でも水に完全に溶けて簡単には蒸発しない。この特性が1,4-ジオキサンを水から除去するのを困難にしている。例えば汚染された地下水は通常、吸い上げと処理(pump- and -treat)によって扱われ、その後塩素化溶媒や別の混入物質を除去するために、空気を吹き込むか粒状活性炭を通したろ過が行われて帯水層に戻される。がしかしこの方法は1,4-ジオキサンでは効果的に作用せず、エネルギー負荷のかかる先端的酸化過程すなわち紫外光照射による過酸化水素との反応を利用する。あるいは過酸化水素の代わりに次亜塩素酸を使う方法もある[2]。この他にも多くの対策が施されているが、1,4-ジオキサンの環境中への放出を停止させることが最も効果的である。これまで1,4-ジオキサンがたくさん広がっていた。奥さんにもお伝えを

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 9, p. 18.

Ann. Chim. Phys. 1863, 67, 257; Ann. Chim. Phys. 1863, 69, 317.

[2] DOI: 10.1039/ D0EW00316F

20.11.30

| | コメント (0)

生物学的低分子は

 タンパク質とは違って、テンプレートが誘導するプロセスで合成されない。そのため代謝物成分であるそれら低分子全てを同定することは難しい。その中研究者らはこれまで知られていない代謝物の同定をより簡単にする濃縮法を報告した。この方法、すなわち濃縮によって代謝作用の詳細を解明する方法(DIMEN)では、クリック化学を使ってサンプルからの代謝物を捕捉するため、アルキンで修飾した低分子とアジド吉草酸リンカーで修飾した固体担持を使う。アルキンで修飾した低分子の全ての代謝生成物は、アジド固体担持との反応で抽出されて、その後質量分析で開裂される。物理的に濃縮すると複雑な代謝物混合物から標的の代謝物を分けることができて、そこに分析のためにレポーターイオンをつけることができる。ここではある種の線虫が生産するシグナル分子であるアスカロシドが注目された。線虫にアルキン修飾のアスカロシドを与えたところ、数百のこれまでには知られていなかった代謝物を同定することができた。代謝物は台車に乗せたのでしょうか。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 9, p. 11.

DOI: 10.1021/jacs.0c06877

20.11.29

| | コメント (0)

ローマ帝政時代

 貝紫色(Tyrian purple)は金よりも高価だった。珍しい王家の染料は、ある種の巻貝から苦労して抽出されていた。ただし軟体動物10000ほどから1 g程度の染料しか得られない。貝紫色の主な化学成分は6,6’-ジブロモインジゴで、これは臭素や臭化水素酸を必要とするために工業的スケールで合成することはできず、また臭素の選択的導入も課題だった。その中研究者らは生化学的な手法で、大腸菌を上手くおだてて6,6’-ジブロモインジゴを生産することに成功した[1]。ハロゲナーゼを含む三つの酵素を操作しバクテリアに注入した。これらの酵素は、トリプトファンを酸素、臭化ナトリウム、補酵素を使って三段階で6,6’-ジブロモインジゴに変換した。紫色を生産する大腸菌を遠心分離器で圧縮して得られたペレットで、ウールなどの織物に特徴的な色相を付与できた。異なるハロゲナーゼ酵素を同様に使うと、異なる色を呈する5,5’-ジブロモや6,6’-ジクロロインジゴも導くことができ、これらも染料として利用できる。インジゴは染料、いいちこは焼酎、ではミジンコは?

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 9, p. 11.

DOI: 10.1038/s41589-020-00684-4

20.11.28

| | コメント (0)

いずれ不足する

 肥料のための重要な元素であるリンを確保する新たな方法として、どこにでもあるおしっこやうんちが着目されている。その中研究者らは人工尿から単純な電気化学的な手法でリン原子を抽出できることを示した[1]。これはリン原子を沈殿させるためにマグネシウムを使う以前の方法より安価である。実験では、負に帯電したリンと塩素イオンをアノードチャンバーに入れた。そのチャンバーはイオン交換膜を介してもう一つのチャンバーと隣合わせである。ここに尿を入れて、適切な電流密度をかけると、リンイオンは中性のリン酸(H3PO4)に変化し塩素イオンは負のままだった。電流を逆に流すと、塩素イオンはもう一つのチャンバーに移動し、もとのチャンバーは肥料生産に適したリンが豊富な溶液になった。なおこの技術を、集積された排水処理施設に適用した場合には、汚泥からおいでになる尿が対象になるため実用的ではない。そのため公衆にある小便器にたまる尿を用いる必要がある。尿、妙な話じゃないよ。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 9, p. 11.

DOI: 10.1021/ acsestwater.0c00065

20.11.27

| | コメント (0)

還元的脱離

 遷移金属触媒反応の鍵となる素過程の一つである。通常三つの元素が関わる結合開裂と結合形成を含む機構が考えられている。その中今回、同じ分子の中での結合開裂と結合生成をPdが触媒する反応の還元的脱離の詳細が調べられた[1]。その結果この反応の遷移状態は七中心還元的脱離を含んでいた。実験的には難しい遷移状態をコンピューター研究によって解明し、ペリ環状反応のような七つの原子が関わる遷移状態を導いている。ここではPdのd軌道が遷移状態の芳香族性を担保している。さらにこれによって七原子全体に広がった軌道が共役し安定性が向上している。またPdのd軌道の配置のために、芳香族性は、通常の構造をとることはできず、途中でねじれたメビウス系のような形をしている。研究者らは電子の動きを示す曲がった矢印を使ってもこの反応機構も説明している。今回の成果では、有機金属反応の中の重要な動きを、本格的な量子化学を用いて明らかにし、馴染みのある直感的概念を用いてモデルが構築されている。還元的脱離に感激的だっ。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 9, p. 10.

DOI: 10.1021/jacs.0c09575

20.11.26

| | コメント (0)

ドライアイス不足が

 COVID-19ワクチン輸送の障害になるかもしれない。モデルナのワクチンは-20 °Cで保存・運搬する必要があるが、これは通常の冷蔵庫で可能である。それに対してファイザー・BioNTechワクチンは-70 °Cの保存であり、これにはドライアイスが最適である。ドライアイスは、液体二酸化炭素を圧縮・冷却して製造される。ドライアイスの需要は米国のCO2需要のおよそ20%であるが、問題はCO2の供給不足である。米国の大抵のCO2は、エタノールあるいはアンモニア合成のプロセスから捕捉されるが、これらの生産が現在低下している。米国でのアンモニアの価格低下が工場閉鎖をもたらし、燃料エタノールの需要も小さく、多くの工場が停止した状態である。このような状況の中でドライアイスの需要は冷凍食品の宅配の増加によって伸びている。そこでCO2捕捉の方法として、巨大な熱システムや埋め立てや焼却炉からの回収は良い機会であるものの、その経費が課題である。一方でCO2製造会社は、生産を2倍に、貯蔵設備を3倍にして需要を満たそうとしている。どえらい安いドライアイス、供給できますように。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 23, p. 10.

| | コメント (0)

スピドロイン

 と呼ばれる繊維を作るタンパク質は、クモの絹糸膜の中では液体として存在する一方で、絹が放出されると直ちに固体になる。しかもそれはナノフィブリルな高度に配列した階層構造である。今回この変化が何によってもたらされるのかが解明された[1]。すなわち溶解したタンパク質が一時的に液滴として凝縮されるが、リン酸やpH勾配を含む化学的な合図に呼応して変化する、いわゆる液液層分離(LLPS)と呼ばれる現象による変化である。リン酸の添加によってLLPSが引き起こされて、タンパク質はpH5で固化し自己集合の後、ナノフィブリルに変化する。研究者らはさらにクモから直接採取した濃縮スピドロインタンパク質から、これらの化学的な合図を組合せて10 cmの長さの絹繊維を作成することにも成功した。得られた繊維を伸ばすと、材料はβ-シートと呼ばれる特徴的なタンパク質構造を形成した。LLPSによるスピドロインの凝縮は、アルツハイマー病のような神経変性疾患を持つ人の脳の中のタンパク質の凝縮とも関連して興味が持たれる。液体スピドロインの固化、スピード感もあって高感度です。

 この繊維、那田蜘蛛山[2]にもあるのでしょうか。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 9, p. 10.

DOI: 10.1126/sciadv. abb6030

[2] 吾峠呼世晴「鬼滅の刃」コミック4–6巻

| | コメント (0)

フェリンガ研究室で

 これまで合成されてきた分子モーターは紫外光あるいは青色光で駆動していた。それに対して今回の分子モーターは、共有結合で連結したアンテナが近赤外光からエネルギーを吸収して回転する[1]。この光はより安全であるばかりではなくて、より深い細胞組織に浸透することができる。新しい分子モーターは近赤外光の二光子によってアンテナが励起されると回転する。その励起からの共鳴エネルギー移動が二重結合の異性化を促し、さらに分子が回転する。このシステムを可能にするためには、モーターとアンテナのエネルギーレベルがお互いに合っていることやこれらの部位に連結しているリンカーが分子の動きと干渉しないことを確かめなくてはいけない。なおここでの近赤外光による二光子励起を利用するというアイデアはエレガントで、さらにより速いエネルギー移動ができるアンテナが開発されることも期待されている。フェリンガ先生自身は、この分子モーターを、ガン細胞を破壊するための小さなドリルである幹細胞の特性に影響し得る表面のパーツとして使いたいと述べている。分子モーター、しもた〜、先をこされたかな。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 9, p. 8.

DOI: 10.1126/sciadv.abb6165

20.11.23

| | コメント (0)

モミラクトンは

 競合する植物の成長を抑制するいわゆる他感作用 (allelopathic)化合物の一つで、米はこれを放出する。今回その生合成経路全体が解明された[1]。そのために研究者らは、過渡的に候補となる遺伝子をタバコで発現させた。タバコの収穫を格段に向上させるためには、葉緑体から細胞質ゾルへのある反応を変更させなくてはいけなかった。また対象となる酵素が葉緑体に局在するシグナルを有しているかを分析する必要もあった。もしそれがあれば、このペプチド配列を切り取ると、酵素はもはや細胞質ゾルから葉緑体に移動することはできない。その結果、タバコは、これまでの10倍の、米がつくるのと同様の量のモミラクトンを合成することができた。タバコから抽出したモミラクトンBはシロイズナズナの成長を抑制した。今回の成果によって、生合成経路全体を他の植物にも付与し他感作用特性を持たせ、雑草抑制の天然の経路として機能させることも可能になる。モミラクトンの重み、君らにもわかったかなあ。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 2, p. 8.

DOI: 10.1038/s41589-020-00669-3

20.11.22

| | コメント (0)

共有結合性有機構造体

 通称COFs、古風ならぬ2005年に初めて報告された構造体である。ただこれまでの合成例は炭素の配座による制限があった。一方今回のCOFはボロホスホン酸リンカー(フェニル基の一方にホウ素、その反対側にリン置換基)がベースになっている。リンカーを溶液中で変調器を使って反応速度を制御しながら加熱するとボロホスホン酸がキューブになったCOFが自己集合していた[1]。それはジグソーパズルのピースの如く、八つ集まるとキューブになった。それぞれのキューブは新しい八つの部位を作り、さらにキューブが広がっている。ボロホスホン酸の結合は脱水反応で形成するため水の放出量を制御しながら高度に配列した繰り返し構造が組立てられた。得られたキューブは500 °Cまで熱的に安定。またポリキュバンCOFは酸存在下、インターロックされたリンカー鎖のシートへも変換された。この優雅さは単純さである。これまでにも三次元ボロホスホン酸が研究されていたが、それは無限(列車やお城じゃないよ)に繋がった分子だった。また単一のリンカー分子から得られる複雑さはCOF化学の将来に大きなインパクトをもたらすものである。キューブにも急カーブする部分がある。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 2, p. 8.

DOI: 10.1126/science.abd6406

20.11.21

| | コメント (0)

アルカンC-H結合の

 ボリル化では、三級、二級C-H結合が優先し、一級C-H結合の反応では、遷移金属触媒を用いる必要がある。ただし医薬品製造では、有毒な金属の除去にかなり労力を必要とする。それに対して今回、Cl-B結合を有する触媒と光の組合せが、一級C-H結合を選択的に活性化することが明らかにされた[1]。紫色の光が反応を駆動し、酸化剤であるN-アルコキシフタルイミドから、塩化物水素原子移動触媒への電子移動が起こる。発生した化学種は、標的のアルカンの最も混み合っていない水素を引き抜き、ラジカルが発生する。これが直ちにジボロン化合物と反応し、ボリル化アルカン生成物を与える。通常水素原子移動は、最も弱いC-H結合すなわち三級結合が最初に反応するがここでの選択性はその逆である。さらにベンジルC-H結合も反応しない。立体因子が反応の選択性を制御していた。これによって純度の高いボリル化生成物60種類がおよそ60%収率で合成されていた。豪勢なボリエーションです。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 2, p. 7.

DOI: 10.1038/s41586-020-2831-6

20.11.20

| | コメント (0)

月は完全に乾燥

 していると10年程前までは考えられていた。2009年、三つの論文が月の日のあたる場所にはO-H結合が存在することを報告した。ただしそれが水によるものか、他の分子の水酸基に由来するかは特定できていなかった。この結果は、およそ3μm付近の赤外シグナルがもとになっているが、水のIRシグナルは6μmである。さらに今回航空機に搭載した望遠鏡を使って成層圏から観測することが提案された[1]。その結果、高い南緯の太陽に照らされた月の表面では6μmのシグナルが観測された。以前研究者らは、太陽放射は水分子を分解するか、水をより冷たい領域に押し出すかだと考えていた。一方今回のデータから、月の表面には100-400 ppmの水があることが計算された。研究者の一人は、月の表面はそれでもスーパードライでサハラ砂漠よりも100倍くらい乾燥していると述べている。また観測された水は氷でも液体でもなく一分子で存在している。現在は、この水が隕石の衝突がもたらしたのか月の内部から出てきたのか、また水は月の表面をどのように移動するのか、の解明が行われている。「月の〜、沙漠を〜」旅できますように。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 2, p. 7.

DOI: 10.1038/ s41550-020-01222-x

20.11.19

| | コメント (0)

飲料水に

 クロムが含まれていた場合、それらは天然あるいは工場汚染に由来していると考えられてきた。それに対して米国の飲料系に使われている鋳鉄パイプの硬い表面が削り落とされてそこから漏れ出ている可能性が報告された[1]。鋳鉄はこれらのパイプでは広く利用されているが、それはかなりの量のCr(0)を合金の中に含み、腐食を抑制している。研究者らは、飲料水の処置に使われる酸化殺菌剤である次亜塩素酸の溶液にパイプのサンプルを浸した。その結果Cr(VI)が素早く量産されることがわかった一方で、浸していないサンプルでは、有毒な金属種は全く観測されなかった。またパイプやCr(0)の純粋なサンプルを殺菌剤に晒すとCr(VI)が生成した。しかもその速さは、汚染された水にCr(VI)が析出する際に、パイプにはCr(III)が蓄積する速さの10倍だった。これらの実験は、塩素殺菌剤によるCr(0)の酸化でCr(VI)が溶液に放出されることを示している。

ちなみにチトクロムにはクロムはちっとも入っていない。鉄である。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 2, p. 6.

DOI: 10.1021/acs.est.0c03922

20.11.18

| | コメント (0)

1960年代

 解剖学研究では、ツースポットタコの吸盤には地球上の生き物の鼻や舌にあるのと同様な受容体があることが類推されていた。さらに2015年のタコのゲノム解析では、これまでに調査されていなかった感覚受容体があることが示唆された。それに対して今回、吸盤の細胞が特徴づけられ、よくある機械的受容器が最初に発見された。次に神経伝達物質にバインドする遺伝配列に類似のイオンチャンネルに的を絞ったところ、それらは吸盤組織に豊富だった[1]。そこでそれらを細胞で発現させ、化学的な刺激にどう反応するかが追跡された。その結果、疎水性天然物であるテルペノイドに対して応答した。テルペノイドは多くの海洋無脊椎動物に隠されていて、タコがその表面にタッチすると、素早く動き、手を引っ込めるか、表面に触る行動をとった。新しく同定された受容体には、多様なタンパク質があり、それらは、違った分子の検出や感度も異なっている。このことによって感覚システムは、違った動物の生体からの多くのシグナルをキャッチしている可能性がある。さらに研究者らは、イカを含む頭足動物についても研究し、いかにもという法則を見つけようとしている。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 2, p. 6.

DOI: 10.1016/j. cell.2020.09.008

20.11.17

| | コメント (0)

ドキソブリシンは

 肺ガン、卵巣ガン、肝臓ガンを含む多くのガンに対する抗ガン剤として使われるが、副作用も大きい。それに対してドキソブリシンにトランスシクロオクタエン(TOC)が連結した化合物が合成され、その毒性は80倍ほど小さかった[1]。患者に対する試験ではまず、テトラジンを組込んだヒアルロン酸ナトリウムバイオポリマーを患者の腫瘍に注入し、さらに患者には先のドキソブリシンTOCを1日5回注入した。後者はテトラジンを持つバイオポリマーと出会った際、そこはまさにガン細胞の隣で、テトラジンとTOCでクリック反応が進行、フリーなドキソブリシンとなる。これによってドキソブリシンの副作用を軽減させることもできる。このガン細胞識別と抗がん作用との組合せを、クリック化学が可能にしている。このタイプの治療法は特に軟組織で見られる肉腫に対して有効であることが期待されている。これまでに行われたネズミを使った実験では、ドキソブリシンTCOは、TCOなしの6倍量を投与することができて、副作用も見られなかった[2]。ドキソブリシンで、無理しんでよくなるといいねえ。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 2, p. 5.

DOI: 10.26434/ chemrxiv.13087715.v1

[2] DOI: 10.1101/2020.10.13.337899

20.11.16

| | コメント (0)

コブゴミムシダマシ

 という昆虫、悪魔のような装甲甲虫として知られている。2.5 cmほどの長さの生き物は、自分自身の重さの39,000倍の重さに耐えることができる。これは、砂利道を走る車の重さに匹敵する。このとんでもない力の秘密は何か?ジグソーのようなジョイントや外骨格がかた体はできているが、その外骨格は三層になった表皮と螺旋状になったタンパク質からなり、この生き物に多層な保護がかけられている [1]。その配列はタフで柔軟であり、相当な力に耐えることができる。しかも外骨格だけではなくて、飛ぶ能力を失うごとに硬化し固定された前翅がある。この鞘翅はさらに重さに耐える力を与えている。虫の最も強い部分を特定するために、マイクロコンピューターを取り付けた断層法(これはX線とCTスキャンを組み合わせたような方法)でイメージングが行われた。その結果、強さは、鞘翅と外骨格の接合部分や二つの鞘翅が恒久的に融合したジョイントに由来していた。この強さのため甲虫は裂け目を避けることもなく入り込むことができる。この甲虫、強靭さをカブっとったです。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 2, p. 40.

DOI: 10.1038/s41586-020-2813-8

20.11.15

| | コメント (0)

自動運転車の開発

 課題の一つは、様々な色の自動車が走っていることである。特に黒い自動車、それはコンピュータービジョンシステムの肝である近赤外を含む幅広い光の波長を吸収してしまうため、センシング機能を搭載することが難しい。このなすすべのない課題解決にナスが貢献した。ナスは濃紫色をしている。もし真夏にナスの表面を触るとそれは冷たいことに気がつく。それはナスの表面が、赤外線を透過するためである。さらに紫色の表皮の中は、新鮮なナスの白色に豹変している。しかもその白は赤外線を反射する。化学者や技術者は初め、このナス概念を航空宇宙分野でのコーティングに適用した。すなわち航空機の中の熱制御である。地上では人に対しては様々な色の自動車を提供し、機械にとっては明るい白は、完璧である。おまけに赤外線反射コーティングは、暑い気候でも乗り物を涼しく保つことができる。電気自動車でも空調は乗客に涼しさを提供するために必要だけど、これがバッテリーの電気が減る主たる要因になり、走行距離不安症も引き起こしてきた。ここでもナス概念、ナスがいいねん、が夏の暑さの軽減に生かされるはずである。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 October 26, p. 29.

20.11.14

| | コメント (0)

新技術の集積で

 自動運転車は、今後十年以内に、巨大市場になる可能性が高い[1]。専門家はロボット車両が、ある限られた地域内で荷物を運搬することから始まると考えている。ついで少しずつ、人を乗せて公道を走ることになるだろう。この将来像は、コンピューターに道路を見る能力を持たせるセンサー次第である。センサーは、これまで以上に堅牢で感度が高くなくてはならず、またそれでもコストダウンも必要である。増加しつつある電気車両も、より軽い材料や冷却や潤滑を改良したデザインを必要としている。これは大きな変革をもたらす課題であり、化学工業を挑発するとともに、創造の絶好の機会でもある。

 例えばNuroという企業は、自動運転配達車両を保有している。2018年アリゾナ州スコッツデールで食料雑貨のパイロットプログラムをスタートさせた。最初は、予備の運転手を乗せた自動運転トヨタ、プリウスを使っていた。今年の12月、運転手のいない、ゴルフカートサイズのR1が加わった。R1sやさらにその後継車R2sは、カモメの翼のようなドアを四つ持ち、小包の区画を設定できる構造である。「Nuroの車に乗ろう」の日も近いか。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 October 26, p. 17.

20.11.13

| | コメント (0)

青い鳥は

 実際青色ではない。鳥の羽には青い色素は含まれていない。その青色の色相は羽毛にあるナノスケールの構造的な特徴に由来している。いわゆる構造色として知られている現象である。化学者と材料科学者は、この効果を複製し拡大することに取り組んできた。その結果、幅広い色のフィルムやスクリーンを創ることに成功している。ただし達成されていない芸術的ダイナミクスとして、輝度の調整が挙げられている。その中南京大学の研究者らは、酸化チタンの柱を使って、走らず、別の構造色のシステムと類似の色を引き出すことができる構造を作成した[1]。その柱はさらに偏光を回転させることができる。そこで偏光子の向きに沿って柱を回転させて、絵画から戻ってくる光の強度を調整することに成功していた。ここではオランダの画家ヨハネス・フェルメールの絵画「真珠の耳飾りの少女」でその現象を確認していた。絵画に、甲斐甲斐しく光をあてていたのでしょうか。海外でのことでした。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 October 26, p. 8.

DOI: 10.1364/optica.403092

20.11.12

| | コメント (0)

天然の木が

 柔軟で強い撥水性のフィルムに変換された[1]。しかもそれらは違った色で光る。発光フィルムは、光源やディスプレイに使われているガラスやプラスチックの、より環境調和な代替物を導き得る。さらに光る建物の外観や天井の光パネル、光る家具のような新しい応用分野でも利用できる。研究者らは1 mmの厚さのバルサ材を塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム水溶液に連続して浸し、リグニンやほとんどのヘミセルロースを抜き出した。光る材料を作るために次に、カドミウムセレニドが核で硫化亜鉛が殻になった量子ドットの溶液にこのリグニンを含まない木材を浸した。最後に木材を圧縮して乾燥し、得られた物を疎水性のヘキサデシルトリメチルシランの保護層でコートした。紫外光に晒した時フィルムは、使った量子ドットの大きさに依存して赤あるいは緑に光った。研究者らはバイオをベースとする量子ドット作成も行っている。これによって材料を無毒で完全な生分解性にするとともに、コストカットも行えるかもしれない。バルサ材がのさばる日が来るかも。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 October 26, p. 7.

DOI: 10.1021/acsnano.0c06110

20.11.11

| | コメント (0)

ポリエチレンは

 リサイクル可能だけれど、高温でエネルギーを必要とするプロセスを経て、低付加価値製品が得られるだけである。その結果、企業はポリエチレン(PE)リサイクルに見合う儲けを得ることも難しい。それに対して今回研究者らは、PEをより付加価値の高い製品すなわち長鎖アルキル芳香族化合物にアップサイクルできる触媒過程を報告した[1]。直鎖アルキルベンゼンのマーケットは年間90億ドルである。PEをアップサイクルするためには、高密度あるいは低密度PEとアルミナ担持のPt触媒を反応容器に入れて密封し24時間280 °Cで加熱する。ポリマーは溶解し触媒と反応して水素を放出する。すなわちPEを脱水素化しポリマーを小さくし、その後の芳香族化で高付加価値化合物を収率80%で与える。この方法は、熱力学的に好ましくない反応である芳香族化と熱力学的に好ましい水素化分解の組合せで成り立っている。また反応温度が300 °C以下であるのも鍵である。ここで得られた化合物はスルホン化をするもんで、洗剤や界面活性剤に変換できて、財を成す。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 October 26, p. 7.

DOI: 10.1126/ science.abc5441

20.11.10

| | コメント (0)

乳房組織の

 生体検査を実施する場合医者はしばしば、将来のX線や超音波検査のための目印として、米粒大の金属コイルを挿入する。これらのクリップによって臨床医は、生体検査の数ヶ月後に、ガンの可能性のある部位を正確に再検査することができる。一方で外科的処置をしない限りクリップは永遠に残ったままである。これによって被検者が不安を感じてクリップの埋め込みを避けることもある。その中今回研究者らは、代替のマーカーを作成した[1]。生分解性ポリマーによってつくった筒状のクリップにX線造影剤を入れ込んだ。クリップをさらにヒドロゲルでコートし、MRIや超音波検査の可視性を改善している。研究者らはこのクリップをネズミに埋め込みクリップの安定性と可視性を、X線、MRI、超音波を使って3-4ヶ月追跡した。もっとも性能の良いクリップは、ポリ(L-ラクチド-co-ε-カプロラクトン)を殻にして硫酸バリウムを造影剤として入れ込み、ヒアルロン酸あるいはアルギン酸ナトリウムヒドロゲルで囲んだバージョンだった。ここで作成したクリップは、およそ12ヶ月後には完全に分解し、体外に大概放出されるはずである。クリップの後はリップクリームを。

[1] Chemical & Engineering News 2020 October 26, p. 6.

DOI: 10.1021/acsabm.0c00655

20.11.9

| | コメント (0)

発酵した魚は

 悪臭のために評判が悪いけれど、一部の人はトリメチルアミンの悪臭を我慢することができる。これは遺伝子変異によるものかもしれない。研究者らはTAAR5と呼ばれるアミンの嗅覚受容体タンパク質の変異を調べた[1]。11000人以上のアイスランド人にトリメチルアミンの匂いを嗅いでもらうことを依頼し、その芳香を表現してもらった。その結果、TAAR5にミスセンス変異がある人は、腐ったアミンの臭いを検出できても、トリメチルアミンのそよ風を発酵したサメやガンギエイとあまり結びつけようとしないことがわかった。この変異はごく一部の人でしか見られないものの、さらに分析したところ、TAAR5の変異は、スウェーデン、南欧州、アフリカからの人よりもアイスランド人の方がより多く見られた。新鮮な食肉や塩漬けの食品があまりなかった中世の頃、アイスランドでは発酵した魚製品が重要になった。実際トリメチルアミンのかなり強い刺激性の臭いのあるこれらの食品を食すためには、TAAR5の変異は都合が良かったのかもしれない。発酵したサメも箱に入れて運ぶのでしょうか。開けたら〜。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 October 26, p. 6.

DOI: 10.1016/j. cub.2020.09.012

20.11.8

 

| | コメント (0)

多くの種類の節足動物に対して

 殺虫剤クロルピリフォスは米国で利用されてきた。これを使って、トウモロコシ、大豆、ミカン、ナッツ、タバコや他の多くの穀物に巣食う幅広い品種の虫と戦ってきた。ただし子供達を神経発達障害から守るために1996年に法律で基準が厳しくなった。農務省は、年間3-5百万kgのクロルピリフォスが2014年一年間で使われたと推定している。カリフォルニアが最も多くて、1年間に60万kgを、およそ2ダースの穀物に隠れる数ダースの虫に適用していたこともあった。それに対して今年の終わりに、その使用が禁止される。全米での使用禁止も法廷と大統領選挙の結果次第である。2020年1月末には欧州での販売が終了した。さらに今年中には生産も段階的に終了する予定である。それに対して栽培業者はクロルピリフォスを使わず市販の殺虫剤や管理体制で、害虫対応は可能であるもののそれは挑戦的な課題である。他の対応策は害虫個別で、クロルピリフォスの様に広範で対応できるものは少ない。使用禁止で、どうしようが続く。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 October 19, p. 20.

20.11.7

| | コメント (0)

高酸化状態の鉄は

 巨大イカの様である。存在すると考えられているが、スナップショットのような証拠しかない。鉄(VI)は金属酵素中間体や、水処理に利用されるフェレートイオン(Fe(VI)O4)2-のような一握りの化合物にしか含まれていない。科学者はスペクトルでこの奇妙さを確認することはできているものの決定的ではなかった。その中今回研究者らは四配位シーソー型のFe(VI)ビス(イミド)化合物を合成して構造を解明した[1]。化合物は嵩高い二座のビスカルベンボレートとイミド配位子を保つために反応性は高くはない。ただ嵩高さよりは、これらの電子供与性基が電子不足なFeを安定化している。研究者らはまず、Fe(I)とアリール有機亜鉛とからFe(V)錯体を合成・単離した後に、それをさらに酸化して収率81%でFe(VI)ビスイミドを得た。今回の発見は、より環境調和な酸化剤や新しい触媒化学種を導く可能性も秘めている。六価鉄、どっかに手伝いに行ってたのでしょうか。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 October 19, p. 11.

DOI: 10.1126/science. abd3054

20.11.6

| | コメント (0)

殺虫剤デルタメトリンは

 マラリア流行地域での家庭で使われているが、その新しく同定された結晶多形IIは、これまでの多形Iよりもかなり効果的であることが報告された[1]。多形IIは、マラリアを伝染させる蚊が耐性を持つようになっても効果が持続していた。研究者らはデルタメトリンを110-120 °Cに加熱しそれを25 °Cに冷やしたところ、これまで見られなかった細かな小線維の結晶多形を得た。50%の蚊を動けなくできる時間は多形IIの場合24分で、多形Iの282分よりも短い。この違いは、蚊が結晶から殺虫剤を吸い上げる動力学の違いである。より活性の高い多形IIはかなり少ない量で同じレベルの予防薬と同等に作用できることを示唆しており、環境や人の被曝を軽減できる。研究者らは今回と同様に、市販の殺虫剤を融解させて冷却するとより効果的な多形を得ることができることを期待している。またこのタイプの活性向上のアプローチは、これまでにはなかった。そんな多形、あったっけ〜。

[1] Chemical & Engineering News 2020 October 19, p. 11.

DOI: 10.1073/pnas.2013390117

20.11.5

| | コメント (0)

マスタードガスは

 100年以上に渡って化学兵器として利用されている。またそれが引き起こす水膨れや致死的な効果に対する解毒剤の探索も継続中である。米国陸軍の研究者らは、過酸化水素の乾燥した粉の泡がこの有毒な化合物を分解し無毒にできることを報告した[1]。粉は、フェイスマスク、手袋のような保護具に組込むことができて、ガスに接触するとそれを分解し、液体による処置が問題を引き起こすような状況でも兵士を守ることができる。最近の解毒剤は、溶媒や緩衝液を含む軽量で乾燥した除染装置だったが液体成分が肌、衣服、エレクトロニクスにダメージを与える可能性があった。それに対して幾つかの歯磨き粉でも見られるH2O2粉濃縮品は有望な代替物である。この粉はH2O2と安定化担持のためのポリ(ビニルピロリドン) (PVP)から出来ている。H2O2-PVPはマスタードガスの中の有毒なイオウを安全なスルホキシドに酸化する。この乾燥した物質は、わずか1時間でマスタードガスサンプルの42%を分解し100 °Cを超えても安定だった。マスタードガスの解毒方法、明日、マスターしましょう。

[1] Chemical & Engineering New 2020 October 19, p. 11.

DOI: 10.1021/ acsapm.0c00651

20.11.4

| | コメント (0)

廃プラスチックを

 これまでの方法よりも、付加価値の高い製品にし得る新しいシステムが開発された[1]。この合成系は、分子鎖を繰り返しチョキンと切り取りタンパク質を消化する天然酵素を模倣している。研究者らはおよそ3 nmの直径の白金ナノ粒子を、より大きなアミンで官能基化したシリカ球体に沈殿させた。ついでシリカ球の周りのナノメートルサイズの孔でふるいにかけた新しいシリカを成長させて触媒をつくった。分解されるべきポリエチレンは、表面の相互作用で触媒の狭い孔の中に鎖を蛇行させていった。孔の底でPtナノ粒子と接触し水素化分解が進行、きちんと定められた断片に切断されていた。鎖が入り込み続け、断片は孔から飛び出し、連続的にポリマー鎖が切り刻まれて小さくなっていく。この触媒の試験を、レジ袋を含む様々なプラスチックで行った結果は、ディーゼル燃料や潤滑油に使われる狭い幅のアルカンを生産できるように調整できることを示していた。チョキンと切り取り、廃プラ貯金ができるかな。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 October 19, p. 9.

DOI: 10.1038/ s41929-020-00519-4

20.11.3

| | コメント (0)

超伝導体は

 無抵抗で通電できる。今回開発された炭素質の水素化硫黄材料は15 °Cで超伝導性が観測された[1]。これは以前の記録より30 °C高い。今回の材料は、これまでのH3Sのような水素が豊富な超伝導体が持つ利点を保ち、さらにそれに炭素を加えることで性能が向上している。研究者らは光化学過程を使い、元素状炭素、硫黄、水素を、通常のダイアモンドアンビルを使う前に、処置して混合物を圧縮して最終形としている。電気伝導性や磁場測定は、この材料が二つの超伝導層、すなわち一つは140 GPaでもう一つは220 GPaで形成される層を持っていることを示唆していた。後者は15 °Cまで安定だった。275 GPaでは壊れたが、より高い温度でも超伝導性が保たれることが予測されている。計算結果は、材料はCH4で満たされたH2Sの格子である可能性を提案していた。「C, S, Hの結合の強さは、この系が常圧で安定な材料、すなわち実用性には必須の条件を満たした材料になり得る」と別の研究者は述べている。なかなかでんどう超伝導が進化している。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 October 19, p. 7.

DOI: 10.1038/ s41586-020-2801-z

20.11.2

| | コメント (0)

電気自動車の

 バッテリーは、グラファイトアノードとリチウム–金属酸化物カソードで出来ている。これらの材料は以下の3点すなわち、豊富なリチウムイオンを保持すること、それらが素早く動くこと、安定性を長期間維持することが必要である。ただしどれかを改善しようとすると別の条件を満たすことができない。その中今回黒リンを使ったバッテリーが開発された[1]。黒リンと薄いポリアニリンゲルでコートしたグラファイトの複合粒子でアノードが作成された。今回の新しい材料はリンと炭素原子との間の共有結合由来のより強い構造であり、またそれはイオン輸送を容易にしている。ポリアニリドが電解液を吸い上げ、薄い安定な保護層がアノード上に出来上がる。この層がリチウムイオンを伝導させるが、稼働中に伝導性の低い材料の形成や積層を防いでいた。さらにアノードの体積変化も抑制している。組立てたアノードを通常のカソードと組合せて試験を行った結果、電荷容量500mA•h/g、電流密度13A/gで、2000回の充電サイクルの後もこの値を保持していた。適切なカソードと匠な工作で、これまでの最高のバッテリーより50%高いエネルギー密度を有するリチウムイオンバッテリーを提供し得る。それはまた数分で充電できて、再充電せずに966 km走行も可能にする。加工の難しい黒リン、苦労人ならではの技です。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 October 19, p. 6.

DOI: 10.1126/sci- ence.aav5842

20.11.1

| | コメント (0)

« 2020年10月 | トップページ | 2020年12月 »