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スピドロイン

 と呼ばれる繊維を作るタンパク質は、クモの絹糸膜の中では液体として存在する一方で、絹が放出されると直ちに固体になる。しかもそれはナノフィブリルな高度に配列した階層構造である。今回この変化が何によってもたらされるのかが解明された[1]。すなわち溶解したタンパク質が一時的に液滴として凝縮されるが、リン酸やpH勾配を含む化学的な合図に呼応して変化する、いわゆる液液層分離(LLPS)と呼ばれる現象による変化である。リン酸の添加によってLLPSが引き起こされて、タンパク質はpH5で固化し自己集合の後、ナノフィブリルに変化する。研究者らはさらにクモから直接採取した濃縮スピドロインタンパク質から、これらの化学的な合図を組合せて10 cmの長さの絹繊維を作成することにも成功した。得られた繊維を伸ばすと、材料はβ-シートと呼ばれる特徴的なタンパク質構造を形成した。LLPSによるスピドロインの凝縮は、アルツハイマー病のような神経変性疾患を持つ人の脳の中のタンパク質の凝縮とも関連して興味が持たれる。液体スピドロインの固化、スピード感もあって高感度です。

 この繊維、那田蜘蛛山[2]にもあるのでしょうか。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 9, p. 10.

DOI: 10.1126/sciadv. abb6030

[2] 吾峠呼世晴「鬼滅の刃」コミック4–6巻

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