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還元的脱離

 遷移金属触媒反応の鍵となる素過程の一つである。通常三つの元素が関わる結合開裂と結合形成を含む機構が考えられている。その中今回、同じ分子の中での結合開裂と結合生成をPdが触媒する反応の還元的脱離の詳細が調べられた[1]。その結果この反応の遷移状態は七中心還元的脱離を含んでいた。実験的には難しい遷移状態をコンピューター研究によって解明し、ペリ環状反応のような七つの原子が関わる遷移状態を導いている。ここではPdのd軌道が遷移状態の芳香族性を担保している。さらにこれによって七原子全体に広がった軌道が共役し安定性が向上している。またPdのd軌道の配置のために、芳香族性は、通常の構造をとることはできず、途中でねじれたメビウス系のような形をしている。研究者らは電子の動きを示す曲がった矢印を使ってもこの反応機構も説明している。今回の成果では、有機金属反応の中の重要な動きを、本格的な量子化学を用いて明らかにし、馴染みのある直感的概念を用いてモデルが構築されている。還元的脱離に感激的だっ。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 9, p. 10.

DOI: 10.1021/jacs.0c09575

20.11.26

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