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2020年12月

ゴーンis goneで始まった

 2020年。4月には読書にも耽るようになって、書籍が増えてきた。このペースで増えると本棚が不足する。そこでKindleを購入する決断をした。書籍だとどの辺りなのかは、当たり前のように、しおりで判断できる。一方でKindleではそれが難しいという指摘も知っていたものの、スペース確保で決断した。オールモノクロ表示版、カラーのカバーがわからない一方で字のサイズを変更できる点は助かる。どこまで進んだかを%表示できるが目次への移動が冊子体ほど簡単ではないことは察して欲しい。読みたい本があってAmazonで注文すると直ぐにダウンロードされる。思わず買ってしまう場合か、今じゃなくていいか、どちらのムードにもなる。読み終わった後、貸してあげたりは難しいし、読み終わった本をブックオフで買い取ってもらうこともできない。このことは書いといて欲しかったなあと思いつ、今年最後の日を迎えた。皆様良いお年をお迎えください。

20.12.23

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スクワレン製造

 のために、その水素化された化合物である化粧品のためのスクアラン製造のスケールアップ過程を変更している企業がある。そこではとうもろこしの糖鎖を、セスキテルペンの一つであるファルネセンを生産する微生物に食わせて、その後化学合成で、化粧品のためのスクワランと、ワクチンのためのスクワレン製造を可能にしている。

スクワレン事業の最も大きなマーケットは化粧品だったが、2009年H1N1鳥インフルエンザパンデミックの際に、サメ由来のスクアレンが製薬企業に売られた。また15年以上、欧州の化粧品工業は、サメからのスクワレンではなくてオリーブオイル精製の残渣から取り出したスクアレンの水素化でスクアランを製造しているがそのマーケットは年間およそ1000メートルトンである。そこで、オリーブオイルスクアレンを製薬企業の基準に見合うような精製が行われている。ただし少量のステロール、トコフェロール、パラフィンの除去が必要だが、簡単ではない。

スクアレン需要が、サメを絶滅危惧種にする可能性は小さいと指摘されると同時に、サメのグローバル貿易は透明性に欠ける。またサメ製品を使う全ての製品は、年間7千万から1億頭のサメの殺生に寄与している。スクワレン、人もサメも救われます様に。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 December 7, p. 22.

スクアレン最終話です。第一、二話は一昨日、昨日のブログ

20.12.30



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サメの肝臓にあるスクアレンがなぜ

 ワクチンに含まれるようになったのか。1980年代までは、ワクチンには鉱油が含まれていたが生体適合性がなかった。そこで科学者らは天然の多くの脂質を評価し免疫系を始動させる脂質の特定を行いスクアレンに至った。ワクチンを打ち込んだ際には、それを含む油滴がワクチンの抗原の取り込みを向上させて免疫細胞は抗原をリンパ液系に運び、免疫系が強化される。しかしなぜスクアレンか、これをバインドする特定の受容体は同定されていない。見捨てられないミステリーである。

 このスクアレン需要の増加に対して野生生物擁護者は、数十億のCOVID-19ワクチン錠の生産が、サメを絶滅危惧種にするのではないかと懸念している。また海洋自然保護活動家や科学者のあるグループは、サメ由来ではないスクアレン共有を提唱している。研究者らによれば、かなり多くの動植物がスクアレンを製造している。それはコレステロールやステロイドの原料である。さらに人の鼻が油っぽく光っているときの油成分である皮脂もそれである。この様な中、「パンデミック・インフルエンザ緊急事態プログラム」が立ち上がり、補助薬としての持続可能な原材料の開発とその大量製造を成功させる取組みが始まっている。このプログラムはスクアレン供給にとどまらず、スクアレンがなぜ、いかに免疫活性に影響するのか、現役の研究者らが類縁体製造を通して理解する一助にもなる。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 December 7, p. 23.

スクアレン第二話です。第一話は昨日のブログ

20.12.29

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スクアレン

 炭素数30のトリテルペンの一つである[1]。これがワクチンの活性成分に対する免疫応答を促進する補助薬として強力な役割を担っている。高純度のスクアレンの供給源は、とりわけ深海に生息するサメの肝臓である。医薬品グレードのスクアレンの世界的な貿易は、サメのヒレの場合と同様に、サメの捕獲あるいは別の魚を捕獲した際に合わせて捕獲される行為に依存している。また集められたスクアレンの多くは還元によってスクアランに変換されて、化粧品に使われている一方で、製薬企業の需要は知られていないか、かなり小さかった。それでもサメ由来のスクアレンが、ウイルスの部分タンパク質や機能しないウイルスを含むインフルエンザワクチンで補助薬として使われている。これまでのところ五種類のCOVID-19ワクチンでも使われている。しかもある企業のCEOによれば、スクアレンが十分にあれば、免疫応答性の質を向上させて、抗原として知られているワクチンの活性成分の量を減らすこともでき、ワクチン生産をさらに素早く拡大できる。さらにより少ないタンパク質ウイルスでワクチンの副作用の軽減できる。最後にスクアレン補助役の添加は、タンパク質やウイルスを安定化し、冷凍保存した輸送が必要でなくなる。サメの保護に目覚めましたか。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 December 7, p. 22.

スクアレン第一話です。

20.12.28

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手作りのマスク

 その効果について検証された[1]。その結果、N95が最高水準であるものの、体によく合う布マスクも、つけている人や周りの人を保護する一助になることがわかった。この調査は、COVID-19パンデミックの中3月から始められた。研究者らは、薄い綿を含む10種類の材料と、外科用マスクに使われる材料と、ガラスを綺麗にするのに使われる超微細繊維のろ過の効率を試験した。ついでこれらの材料から作成したマスクをマネキンに着けて、着けている人をどの程度保護するかを確かめた。マスクは、着けている人が発散する粒子をトラップするのに加えて、別の人が吐き出すような浮遊超微粒子を吸い込むことも防いでいた。ただしこれらは理想的な実験室で得た結果であるため、しっかりと密着できる三層マスクを使うことが推奨されている。また最も良かった結果は、編んだ材料二つで、ろ過材料を挟み込んだ三層マスクのものだった。マスク調査のタスクが完了しました。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 December 7, p. 7.

DOI: 10.1101/2020.11. 18.20233353

20.12.27

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高度に統一された

 従来とは異なる形と表面形態を有するペロブスカイトナノ結晶を導く方法が開発された。この発見は、これらの材料の光学や光通信特性のチューニングを可能し、太陽電池、発光ダイオードや電子ディスプレイへも応用できる。これまで研究者らはペロブスカイト構造と化学両論を持つハロゲン化鉛ナノ結晶の化学的安定性や発光特性の改良に取り組んできた。それらは常に立方体やプレートレットのような六面体で、原子は向き合うか側面に配列している。それに対して今回研究者らはα–ハロケトンをハロゲン化物の前駆体として使い、強く発光する12あるいは26面体の従来にはないカット面を持つセシウム鉛臭化物ナノ結晶をつくった[1]。別の合成法では反応混合物の中で一級アンモニウムイオンが生成するが、今回の方法では、三級アンモニウムイオンが発生し、これがこれまでにはないカット面や結晶の形を安定化するのに役立っている。三級アンモニウム塩が、緩急をつけたのでしょうか。サンキュウー。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 December 7, p. 7.

DOI: 10.1021/jacs.0c10688

20.12.26

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炭素–ホウ素分子クラスター

 の最も大きな15あるいは16の頂点を持つカルボランが合成された。2005年研究者らは14の頂点を持つ閉鎖系のカルボランを最初に合成していたものの、このクラスターにさらにホウ素原子や炭素原子を導入することはできていなかった。その中ここでは、クラスターの出発化合物にシリル基を導入してこの偉業を成し遂げた[1]。シリル基は発生する炭素アニオンを安定化させて、より多くのホウ素導入を可能にしている。このシリル基の安定化効果は17さらに多くの頂点を持つクラスター合成にも適用できる。15、16の頂点を持つクラスターは空気中室温でも安定である。これらの閉鎖系カルボランは、三次元芳香属性を示すことで特徴付けられ、基本的に堅牢であるため、材料や医薬品として魅力的である。最近の報告では、これらは核廃棄物からの放射性元素の回収や、抗がん治療にも応用できることが示されている。頂点増やしても有頂天にならずに、頂点を極めている。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 December 7, p. 7.

DOI: 10.1038/s41467-020-19661-5

20.12.25

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PFAS

 パーあるいはポリフルオロアルキル化合物は持続性の汚染物質で、世界中の飲料水供給設備で残存している。これらの基質を残存源の近くで、生じるとすぐに簡単に検出できて継続的にそれらを追跡したいと科学者や監視官は考えていた。その中研究者らは、排水溝などで、PFASのリアルタイムのリモートセンシングに利用できる電極センサーの基本的な部品を組合せた[1]。研究者らは、最も広がっているPFASの一つであるパーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)を捕捉するためにつくられたポリマーで電極をコーティングした。PFOS分子がポリマーにバインドすると、PFOSの濃度に比例して電極を通した電気の流れが減少する。ついでPFOSを含む河川の水でこのセンサーの試験を行ったところ、3~4ピコモルのレベルでもPFOSを検出できた。この数値は米国環境保護局が推奨するレベルである140 pMよりも低かった。次の段階は、PFOSに対するポリマーの選択性を向上させることである。選択性向上、忖度は無用です。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 December 7, p. 6.

DOI: 10.1021/acssensors.0c01894

20.12.24

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オゾンへの

 人の被曝を削減する施策は、米国内で鳥も保護している可能性がある[1]。研究者らはアメリカ大陸で鳥を観察している市民科学者のデータと米国環境保護局からのオゾンをモニターした15年間のデータを分析した。その結果よりオゾンレベルがより高いと、鳥の数が減少していることがわかった。これはおそらくオゾンが鳥に呼吸器系の問題を引き起こしたり、鳥が餌にしている食べ物である植物や生息地域にダメージを与えているためであると考えることができる。研究者らはさらに夏の時期にオゾン前駆体である亜酸素化窒素の発生を削減させるプログラム(環境保護局のNOx Budget Trading Program)が実施されている東米国では、裏庭で飼育されるような小さな陸生の鳥の数が顕著に多かった。これらの結果は、現在の政治的な評価は、大気の質の制御が野生生物にももたらす恩恵を低く見積もっていること、また環境保護局のデータと他のデータを組合せた制御解析は、直接的で即座に効果があることを示している。オゾン削減に依存していた、鳥たちも。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 December 7, p. 6.

DOI: 10.1073/pnas.2013568117

20.12.23

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宇宙空間で

 過ごしたネズミ、哺乳類の細胞株と宇宙飛行士59人の生理学的データの解析が行われた[1]。これらは遺伝子、タンパク質や代謝物などのレベルを含む。その結果、宇宙飛行はミトコンドリアが関わる代謝物のレベルと遺伝子発現に変化をもたらすことがわかった。ネズミの組織、ネズミでの変化は、宇宙飛行士で起きた変化と同様だった。これまでも科学者、ミトコンドリアの効果について警告を出していたが、今回は鳥瞰的に体内で何が起きているのかが明らかになっている。例えば宇宙飛行は筋肉組織のミトコンドリアの活動を邪魔するとともに、その肝臓での量を上方に調節する。この効果はおそらく、肝臓がある種のミトコンドリアを再発生させて、筋肉で生じるある種のダメージを修復させようとするためである。次の段階は、すでに承認されているミトコンドリア疾病を治療する医薬品や、既知の細胞小器官の機能をサポートする栄養学的な介入が、宇宙における放射や反重力がもたらす負の効果を軽減できるかどうかを研究することである。ミトコンドリア、今度リアルに見とこう。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 December 7, p. 5.

DOI: 10.1016/j.cell.2020.11.002

20.12.22

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リンは

 食肉、海産物、レンティス、豆、ナッツ、種を含む多くの食べ物に含まれる[1]。一方で白リンは、ネズミ駆除に使われていた。さらにサリンやVXのような化学兵器は、リン化合物である。例えばサリンは青酸カリの21倍の強さである。このことは違った様式の元素は、非常に違った特性や生物学的効果を示すという好例である。リン原子はまた、窒素原子とともに、農業で広く利用されている肥料である。それに関してリン原子に代る元素はない。これが唯一のリン鉱であるリン鉱石の供給問題を引き起こしている。そのためリン原子は、将来的な供給リスク、すなわち「絶滅の危機にある元素」の一つに挙げられている。肥料で使われるリンの課題は、可溶なリン酸塩として川や大洋に流れていき、堆積物になってしまう点である。現状では経済的にそれらを回収できる方法はなく、30~40年後には不足することが予測されている。そこでリンのリサイクル方法、理想的には、みずに溶けてかなり希釈されてしまう前の回収方法の開発が必要である。人は毎年必要とされる量よりも3メートルトンほど多いリンを消費し、尿や糞として排泄している。人の廃棄物からのリンの回収は、励みになるように思えないかもしれないけど、金の卵になり得る。まさに1969年にBrandがリンを発見したのと同じ手法である。Brandさん発見のリン、ランドにもまかれて、ブランド品になってきた。回収のプランも必要なり。

[1] https://theconversation.com/phosphorus-350-years-after-its-discovery-this-vital-element-is-running-out-109535

前半部分は、昨日のブログを参考に。

20.12.21

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リン原子の発見

 錬金術師の中では、賢者の石は不老不死薬であり、鉛を金に変換できると考えられていた[1]。その中、ドイツ、ハンブルグ出身、錬金術師で商人であるH. Brandは、人の尿に着目していた。尿と金は類似の色であること、尿は完成度の高い人の身体由来であることから。Brandは1669年、物置小屋で大量の人の尿を濃縮した。さらに残渣を加熱し乾留を行った。その結果、暗闇でも光る白いロウ状の固体を得た。固体は空気に触れると同時に、非常に明るい白い炎で燃えた。これらの特性に因んで Brandはその固体を、ギリシャ語で「光を運ぶ人」を意味する語であるphosphorusと名づけた。それを使って鉛を金に変換する試みがなされたが、なす術もなく、失敗に終わった。

 それからおよそ50年経た頃、ギーセン大学の医薬品の教授J. T. Hensingは、リンが人の脳の中にも存在することを示した。そのためリンを含む薬が販売されたが白リンは高い毒性を示し致死量は1 mg/kgだったため逆効果だった。にもかかわらず人の体にはおよそ0.5 kgのリンが存在し、それらはリン酸塩として骨や歯を強化している。さらにDNAやRNA分子を連結している。これらの長鎖構造の骨格は、核酸塩基一対あたり二つのリン酸部位を含む。リンなしでは、全ての生命を想像することも、創造することも難しい。リンのお話、臨場感ありましたか。

[1] https://theconversation.com/phosphorus-350-years-after-its-discovery-this-vital-element-is-running-out-109535

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果物や野菜に含まれる毒

 時として、人間にとっては有害な化合物が植物の中でつくられる[1]。

その例1:カボチャや他のウリ類はククルビタシンを生産し虫を忌避する。まれな場合、異化受粉や不適切な成長条件でククルビタシンEのレベルが上昇する。この化合物は苦味を向上させるとともに、吐き気、嘔吐、下痢を含むカボチャシンドロームを引き起こし、しんどくなる。

その例2:インゲン豆はフィトへムアグルチニンを含む。この植物タンパク質が多量にあると、吐き気、嘔吐、下痢を引き起こす。またその量は生の豆が五つあれば十分である。

その例3:アメリカボウフウやセロリはフラノクマリンによって侵略者から防御している。野菜の新芽や葉っぱでその量が多い場合には、人がそれを扱った時には、太陽光に対して肌が敏感になる光皮膚炎になる可能性がある。

その例4:ポテトは昆虫に対する防衛のためにソラニンを生産する。通常のレベルでは人には害はない一方で、ポテトが光に晒されると、緑色に変色し有害なレベルに達する。

その例5:ダイオウの葉っぱを食べると吐き気や嘔吐を引き起こし得る。これは葉っぱに含まれるシュウ酸による。またアントラキノングリコシドも毒の原因である可能性もある。なお茎はシュウ酸の量が少なく食しても安全である。

 お気の毒に、を避けることができますように。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 30, p. 29.

20.12.19

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細かく刻んだ白檀材から

 香料成分が水蒸気蒸留によって得られ、それはホップ、ユーカリやアンゴスチュラ・ビターズを連想させるバーブの豊かな香りをもたらす[1]。木が成長し15年から30年の間成長するとこの成分が豊富になっている。ただし需要が伸びる中、持続できない耕作や、オーストラリア、インドやハワイの保護森林地帯から違法な伐採も行われている。白檀オイルの供給は、気候や労働問題に依存して安定せず、木の成長を待つ必要もあってスケールアップもできない。実際インドの白檀の生産は低下している。そこでその成分を合成するか発酵によって生産する方法が開発されてきた。白檀オイルはα–サンタロールをおよそ55%、β–サンタロールをおよそ25%含み、他の成分でバランスが保たれている。そこで発酵による製造方法が開発されて、この成分比と同様の組成のオイルの製造が達成された。ある種の紅色細菌を利用してコーンスターチから得られる糖鎖からの成分を発酵させている。現在原料はヨーロッパトウモロコシだけど、例えばインドのアユルヴェーダの医療従事者は白檀オイルをスキンケア、不安や筋肉の痛み軽減に利用しているため、その近くで新しい設備を建設すると、直接供給することも可能になる。サンタロール、サンタクロースが届けてくれるでしょうか。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 30, p. 22.

20.12.18

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簡単に利用できる

 酸化剤と水だけが副生成物として得られるC-H結合同士のカップリング反応が開発された[1]。すなわちPd触媒と過炭酸ナトリウムを使って研究者らは、カルボキシル基を有する芳香族化合物の芳香環にあるC-H結合と、脂肪族カルボン酸のアルキルC-H結合の水素を引き抜き、炭素同士をカップリングさせて医薬品としてしばしば見られる多様な化合物を導いている。審査前のこの論文で反応がいかに順調に進行するかを示すために、(±)–ルッスジャポノールFを、これまでの13段階から4段階の短縮経路で、容易に入手できる出発化合物から全収率28%で合成している。ここでは四つのC-H結合が反応に関与し、ワンポットで炭素–炭素を連結させている。酸化剤は系中で、工業的にすでに使われている過酸化水素を発生させるため、スケールの拡大も可能である。また脂肪族カルボン酸は入手容易で通常安価であり、カルボキシル基が配向基として働いている。反応性の高い化合物では収率52-78%、反応性の低い出発化合物では収率35-65%で生成物を与える。過炭酸塩が反応に加担している。ちなみにどこで買ったんでしょうか。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 30, p. 9.

DOI: 10.26434/chemrxiv.13250294.v1

20.12.17

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人造皮革、人造毛皮

 さらに多くの研究者らは人造クモの糸をつくろうとしている[1]。クモが出口突起から吐き出す糸は、高力価や伸縮性のような特別の特性を有しており、これは衝撃吸収のような応用も可能である。ただしクモはいとも簡単に紡ぐ糸の繊維の複雑な構造を、人が複製することは難しかった。クモの糸は、一連のタンパク質が繋がった長い鎖やこれらのタンパク質の小線維からできている。その中中国復旦大学の博士課程の学生さんは、繊維のコアの構造を、タンパク質を使う代りにエチレン–酢酸ビニル共重合体を使ってクモの糸を模倣しようとしていた。その結果、ポリマーが95 °Cの時に繊維を引っ張り出し、それを氷水でクエンチしたところ、繊維の外側はふやけてしなやかになった。一方で内側のコアは伸縮性を保持していた。これはまさに天然のクモの糸の外膜とコアのようだった。その学生さんは、この構造に由来して、彼が作成した繊維の強さはクモの糸と同程度で、より伸縮自在になっていると考えている。人造クモの糸の肌触り、感じんぞう。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 30, p. 10.

CHEMISTRY IN PICTURESのコーナーより

20.12.16

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真菌感染症を

 処置する現在は使われていない方法で、真菌の成長を制御できる新しい方法が見つかった[1]。研究者らはまず、三つの医薬品、抗生剤パロモマイシン、抵抗マラリア剤プリマキンと抗炎症剤イブプロフェンを、1280のすでに承認されている薬とを組合せて3840の新しい組みをつくった。ついで口腔カンジダ症、膣感染症やイースト菌感染症の原因であるカンジダ・アルビカンスの液体培地で、真菌を殺すあるいはその成長を抑制するかの試験が行われた。これら薬を単独で使ったときは真菌感染症を治癒することはできなかったが、17の組み合わせが、カンジダ・アルビカンスの成長を抑制した。最も効果的なペアが三つあった。一つ目はパロモマイシンとβ–エスシンで、エスシンはトチノキの抽出物で、時に腫れを治療するのに使われている。二つ目は、プリマキンと抗炎症剤であるセレコキシブである。さらにイブプロフェンと寄生虫を殺すペンタミジンの組合せだった。今回の成果は、細菌や真菌に感染した場合の新しい治療法を見つけるための概念実証として、幅広く適用されることが期待されている。真菌感染症に、親近感を抱く人もいるでしょうか。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 30, p. 9.

DOI: 10.1021/ acsinfecdis.0c00405

20.12.15

 

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大陸氷河は

 誰よりも活動的な地球化学者だった[1]。研究者らはグリーンランドと南極の氷床とから雪解け水を採取し、そこにある17の微量元素の量を測定した。その結果これらの水のサンプルには、その周辺の川や大洋に比べて、鉄のような重要な微量栄養素が含まれていた。微量元素はナノ粒子として、完全に溶解するか懸濁した状態で見つかるが、それらは凍った大陸の下にある岩盤から湧き出ているものと考えられる。これは氷床が天然のブルドーザーでありそれが動くと地形を粉砕し、氷河下の湖にトラップされた水が、周りの岩から鉱物を遊離させるためである。これまで氷河が元素のサイクルに重要であるという考えは持っていなかった。今回の結果は、隠喩的に表現すれば、まさに氷山の一角であるが、これらの氷で覆われた塊の役割たとえば微量元素が流れる現象について、の再評価が始まっている。とりわけ気候変動に伴う氷河の溶解とも関連して。氷河が溶けて、しょうがない になりませんように。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 30, p. 9.

DOI: 10.1073/pnas.2014378117

20.12.14

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病弱だった子供が

 荼毘に付されるのを免れて不老不死を得た。引き換えに、太陽の下では生きることができない鬼になった。仲間を増やすために人を喰い、鬼にした仲間を恐怖で支配する世界をつくり、平安の頃から1000年近く生きる。この不老不死と人の人生の儚さは、「鬼滅の刃」で流れる主題の一つである[1]。

 不老不死の世界に呼び込もうとする猗窩座の誘いを杏寿郎が看破する[2]。

「俺は炎柱 煉獄杏寿郎だ。」「俺は猗窩座、杏寿郎なぜお前が至高の領域に踏み入れないのか教えてやろう。人間だからだ。老いるから死ぬからだ。鬼になろう、杏寿郎。そうすれば百年、二百年、鍛錬し続けられる。強くなれる。」杏寿郎「老いることも死ぬことも人間という儚い生き物の美しさだ。老いるからこそ、死ぬからこそ、堪らなく愛おしく尊いのだ。強さというものは肉体に対してのみ使う言葉ではない。」

 その限りある命は自分の想いを後進に伝えようとする。不老不死を得た鬼舞辻でさえも太陽のもとに晒されて絶命が近づいてきた時、変貌した[3]。「生き物は例外なく死ぬ。想いこそが永遠であり不滅、確かにそうだった」ことを認めた。と同時に、生き物の本能が如く、自分の想いを託そうする動きに出た。「私の夢を叶えてくれ、炭治郎」鬼舞辻さん、これ以上物議を醸さないでね。

[1] 吾峠呼世晴「鬼滅の刃」

[2] コミック8巻、第63話「猗窩座」

[3] コミック23巻、第201話「鬼の王」

追記1:ざこ鬼が「鬼舞辻」の名前を言えない、壁をすり抜けて珠世さんの屋敷へ、孫たちの世界。ハリーポッターをちょっと思い出してしまいました。

追記2:「保育園でも、はやっている」がきっかけで教えてもらったコミック、子供達に感謝です。

20.12.13

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人類が使っている材料の

 リストでは、コンクリートは第2位かもしれない。ただしそれは小さなポテトではない。世界中で利用されている量では水に次ぐ。この建築材料は毎年およそ30億メートルトン供給されて、橋、道路、ハイウエイ、高層ビル、下水設備などが建設されている。そのため間違いなく現代世界の多くをサポートしている。それはまた世界の温室効果ガス排出の一因でもある。コンクリートをつなげる重要な接着剤であるセメントを製造する高温プロセスは人為的CO2排出のおよそ8%を占め、グローバルエネルギー供給の2–3%を消費している。さらに一人当たりのコンクリート使用量は毎年増加していて40年前のおよそ3倍である。アジアやアフリカでは新しい建築プロジェクトが立ち上がり、欧州や米国では古くなったインフラ整備に利用される。なおセメント製造は200年ほどの間ほとんど変わらず、石灰岩(CaCO3)からCO2を除去してCaOに変換している。その中このプロセスの詳細を解析しCO2排出の抑制やコンクリートの長寿命化の取組みも行われている。セメントを責めんといてください。

[1] Chemical & Engineering News 2020 November 23, p. 27.

DOI: 10.1016/j.conbuildmat.2019.04.013

DOI: 10.1021/jacs.0c02988

20.12.12

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75のアミノ酸

 で構成される外膜タンパク質は、SARS-CoV-2ウイルス粒子を形づくる四つの構造タンパク質の中で最も小さいが、ウイルスが細胞に感染するためには、必要不可欠である。別のコロナウイルスからのデータをもとに研究者らは、五つの外膜タンパク質がウイルスの脂質二分子膜が貫通する孔を形成していることを類推していた。ただし膜貫通タンパク質の構造的キャラテリゼーションをX-線結晶解析や低温電子顕微鏡を使って行うことが困難だったため直接的な証拠はなかった。それに代わって今回MITの研究チームは、核磁気共鳴装置で外膜タンパク質の構造を解析し、孔の形成を確かめた[1]。さらに研究チームは、二つの医薬品すなわちアマンタジンとヘキサメチレンアミロリドがどのように孔にバインドしそれをどのようにブロックするかを解析した。その結果、これらの医薬品の孔へのバインドは弱いものの、構造に関するこの情報は、ウイルスを標的にする医薬品設計に役に立つものと思われる。外膜タンパク質の解析が、上手くできたようです。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 23, p. 8.

DOI: 10.1038/s41594-020-00536-8

20.12.11

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大人の心臓の

 レプリカが、無理かと思われたけど、海藻由来のヒドロゲルであるアルギン酸塩から3-Dプリンターで印刷された[1]。この正確に再現されたモデルは外科医の訓練や彼らが複雑な手順を考える助けにもなる。ヒドロゲルあるいはコラーゲンは人の組織の構造基礎のタンパク質であるため、現在のシリコンや硬いプラスチック製のモデルとは異なり、外科医が切ったり縫合したり焼灼したりするのを可能にしている。この研究はグループの以前の小さなモデルに端を発している[2]。それをベースにここではMRIで得た心臓の図をプリントした。ゼラチンマイクロプラスチックで容器を満たし、臓器を印刷するために、アルギン酸で満たされたシリンジをMRIによる情報をもとに動かしていった。ついで容器を体温にしてゼラチンを剥がしてヒドロゲル心臓を取り出していた。これまでバイオプリンティングでは1 cm以上のものでも最先端であると言われていたが、今回の心臓は実物大である。さらに今後MRIイメージから詳細情報を得て多くの臓器の印刷が可能である。臓器プリントの動機もわかりますか。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 23, p. 8.

DOI: 10.1021/acsbiomaterials.0c01133

[2] DOI: 10.1126/ sciadv.1500758, DOI: 10.1126/science. aav9051

20.12.10

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打ち上げロケットや

 ミサイルを点火する固体推進剤で、酸化剤として過塩素アンモニウムが広く利用されている。ただしロケットを打ち上げるたびに、過塩素アンモニウムと燃料が反応すると270メートルトンの濃塩酸が発生する。そこで化学者はハロゲンを含まない代替物の探索を行っていたところニトロアミノ二酢酸ビス(2,2,2-トリニトロエチル)エステル(NABTNE)がその有望な候補であることがわかった[1]。NABTNEは市販品であるイミノ二酢酸から二段階で合成される。この新しい酸化剤は、過塩素アンモニウムと同様の密度や高い分解温度(180 °C)を示し、他の推進剤では爆発してしまう摩擦や衝撃に対して特に反応しない。また過塩素アンモニウムと同様のロケット比推力を示す。NABTNEはまた長期保存も可能で3年間80 °C保存でも分解しないと計算されている。軍事的には、推進剤は煙を出さないこともポイントである。煙なしで、煙に巻くことも可能で、ミサイルの追跡を困難にできる。なおNABTNE合成には塩化オギザリルやDMFを使用していて、これらは環境調和な化合物ではないとも指摘されている。NABTNE、なぶってはいけません[2]。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 23, p. 7.

DOI: 10.1021/acs.energy- fuels.0c02910

[2] なぶる、岐阜では「触る」を意味します。

20.12.9

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カンジダ菌感染

 は致命的でかつ迅速に広がり、現存する薬に対して耐性を示す[1]。一旦この真菌が病院や養護施設に入ると、その施設のほとんどの人が感染するリスクも高い。その中研究者らはフロリダキース[2]で採取された海洋無脊椎動物から得た1482のバクテリアによって合成された化合物のスクリーニングを行っていた。ここでは代謝学とゲノミクスを使い、独自の代謝物をつくるバクテリアを発見しようとしていた。その結果、浅瀬に住むホヤの消化管にいるバクテリアが合成した特異な代謝物にたどり着いた[1]。この化合物タービンマイシン(turbinmicin)は、試験管やネズミでは、カンジダ菌や他の耐性菌を殺すことができる。またネズミに、感染を停止させるために必要な量の100倍の量を投与しても、有毒な副作用は発現しなかった。機構研究によれば、タービンマイシンは、真菌が細胞とオルガネラの間でリン脂質を輸送するために必要なタンパク質を破壊するというこれまでとは違った方法で真菌を殺すこともわかった。カンジダ菌退治が、かんじんだ。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 23, p. 6.

DOI: 10.1126/science.abd6919

[2] フロリダ最南端の島々。

20.12.8

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内部アルケンへの

 アミンの付加を経たアルキルアミンの新しい合成法が開発された[1]。ここでは6-メチル-2-アミノピリジンのN-H結合がアルケンへ付加する反応を、正電荷を有するIr錯体が触媒している。これによってキラルアミンが高い位置選択性で得られる。今回のHartwig法の鍵は、二座配位できるアミノピリジンを配位子としてまた基質として利用している点である。これが好ましくない副反応を抑制しキラリティー制御も可能にしている。すなわちアミノピリジン二分子がIr中心にバインドし、ついでその一つがアルケンと置き換わり、もう一つは金属上に残る。これによって配座が固定されて、アルケンへの付加が片側の面からのみ進行する。またピリジル基の除去でアミンを導くことができる。カチオン性Ir触媒はまた還元的脱離を促進し異性化も抑制される。同様な方法でO-HやC-H基の付加反応も達成したいと研究チームは考えている。さらにアミン源としてアンモニアの利用も見据えている。アミンで、安眠できるかな。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 16, p. 11.

DOI: 10.1038/s41586-020-2919-z

20.12.7

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第47回

 有機典型元素化学討論会がオンライン開催された。群馬大学の方々の抜群の企画力で成功裏に終えた。ドイツやシンガポールからの特別講演。またシンガポールからの口頭発表にポスター発表。REMOを使ったリモートポスター発表。入り方がわからず右往左往していると声をかけられた。休憩室だった。わからぬままにあるブースに入ったら聴衆が自分一人だった。じっくりと聞かせていただいた。対面のポスター発表では質問の際、この化合物が・・・や、このスペクトルは・・・と指し示せば良い。同様の感覚でこの化合物ですがと、マウスを動かして質問していた。噛み合わない議論。しばらくしてこちらのマウスの動きは発表者に見えないことに気がついた。「マウスでかまわんす」じゃあなかった。オンライン懇親会。研究室から一杯やりながらの参加、講演会の続きのモードでの参加、自宅からの参加など、ないまぜ。抽選会も催されて、当選者は群馬県ゆかりのグッズなどを景品としていただく。当選番号が読み上げられるたびに、もしやと固唾を飲むけど、自分ではない、で今度はビールを飲む。いくつも部屋が用意されて年代別で島ができた。三日目も多く方が参加された。最後の特別講演にも圧倒されて、昼食前の満腹感。

 海野先生初めスタッフの方々には大変お世話になりました。来年2021年12月1日から3日まで岐阜市文化センターでお世話させていただきます。「大きなお世話や」になりませんように。

20.12.6

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ある種のバクテリアは

 月や火星の重力条件と同様な中で、玄武岩から14種類の希土類元素を、地球の重力条件と同様に抽出できることが示された[1]。このことは月や火星で、探査機や電子機器や別の技術を組み立てる際に、それに必要な希土類元素をその星で供給できることを原理的には示している。どの星に行っても、惑星や小惑星から採鉱すれば、宇宙での長期滞在の一助になり得る。今回の成果はその第一歩である。バクテリアには岩を酸性化して金属を抽出するタイプがいるが今回はそうではない。ここでのバクテリアは多糖を分泌し、それが金属とりわけ希土類にバインドする。この選択性が何に由来しているかの解明は現在進行中であるが、小さな細胞のバイアルが自己集合し採鉱に関与している。ただこの作業のために細胞はかなりの量の多糖が必要であると考えられる。そこで次の段階としては、細胞の成長を支援するために宇宙空間で十分な栄養を生産する方法を考案しなくてはならない。バクテリアと採鉱にさ〜行こう。最高です〜。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 11.

DOI: 10.1038/s41467-020-19276-w

20.12.5

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1,3-二官能基化された

 ビシクロペンタンは、パラ置換芳香族化合物と同様の医薬品特性を有する異なる構造の化合物(bioisosteres)として作用できる。また芳香族化合物よりも溶解性、浸透性ときには生理活性の点でも好ましい。ただしその大量合成が挑戦的な課題であることと、実際にbioisosteresとして有効であるというデータがなかった。そこで研究者らは、ビシクロペンタン前駆体を合成し、そこからオルトあるいはメタ置換ベンゼン類縁体を合成した[1]。ついでこれらがbioisosteresとして作用できるか生物学的ならびにコンピューターによる研究で検証した。置換芳香族化合物と同様に代謝されて有毒な化合物に変換されると利用価値は低下するが検証の結果、二官能基化されたビシクロペンタンは3-D構造を有し、代謝されることはなかった。酵素ポケットの中では芳香族化合物と同様の配向を示したものの、肝臓がそれらを有毒なものに変換することはなかった。今回の研究は、科学者がオルトあるいはメタ異性体を模倣する、数少ないけれども力強い例の一つである。ビシクロペンタン利用の魂胆、上々のようです。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 16, p. 9.

DOI: 10.26434/ chemrxiv.13120283.v1(査読前の論文)

20.12.4

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着用できる

 センシング技術は動きの検出は可能だけど、それに伴う力を測定することはできない。その中すでに伸縮の強さを電気抵抗や電荷によって検出するセンサーは開発されていた。ただしそれは電磁波干渉や湿気の影響を受けてしまう。そこでこのエレクトロニクスに代わって光子を使ったセンサーが開発された[1]。新しいセンサーはシリコンの枠の中に二つのポリウレタン核がある。一つは透明でもう一つは色のついた有機染料を含む領域がある。伸縮、曲げ、加圧による強度の変化に伴ってセンサー全体の光の色も変化し、センサーがどのように変形しているか、またその変形の力を示すことができる。研究者らは光ファイバーを装着したグローブも作成した。これは例えばエースピッチャーが速球を投げるときに手は、どの程度の力なのか、そのかけ方を追跡することができる。また組立てるための材料も入手容易で安価である。ここで違った位置での情報を読み取るのに違った色を使っている点、独創的である。ピッチャーの繊細な動きをセンサーがキャッチできる。キャッチーや。

[1] Chemical & Engineering News 2020 November 16, p. 7.

DOI: 10.1126/science.aba5504

20.12.3

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前生物的アミノ酸の発生

 についての通常の理論ではシステインについて説明することができていなかった。それに対して今回の新しい研究では、システインを含む化合物を導く前生物的な経路が提案された[1]。すなわちそれはセリンニトリルから始まる。最初にそれがチオ酢酸と反応し、ジアセチル化セリンニトリルを与える。4日後にそれは、アセチル化デヒドロアラニンニトリルに変換される。最後に硫化水素との反応でアセチルシステインを含む化合物に至る。さらにここで得られた化合物はペプチド連結反応を触媒することができる。中性pH水中で、アセチルシステインはアシルグリシンニトリルと全ての標準的なアミノ酸から単純なペプチドを形成する反応を触媒する。このシステインペプチドは、本来の触媒活性によって、非生物的環境における反応の優秀な触媒候補である。「今回の研究は、低分子有機触媒の可能性と、生化学の出現の中でチオールが注目されていること」さらに「もし生命がニトリルをベースにした化学を利用しているとしたら、ニトリルがあまりない生化学になぜシフトしたのかが不明確である」とコメントされている。システインが貢献し(ス)ているんです。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 16, p. 6.

DOI: 10.1126/ science.abd5680

20.12.2

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CAS

 Chemical Abstract Servicesは、ACSのディビジョンの一つであり、分子構造や特性、反応手順や条件を含む化学情報のデータベースも保持している。これらは、医薬品のような標的分子を導く合成段階を予測する過程である逆合成解析を実行できる機械学習を発展させるのに、コンピューター化学者にとって貴重なデータである。ただしCASの標準条項は、これらのデータを機械学習アルゴリズムトレーニングに使うことを禁止していた。その中今回CASはMITが拠点となるColeyグループにこれらのデータを使用することを許可した[1]。これによって数百万の反応のデータを収集することができる。研究チームはその成果とコンピューターコードは公表する予定である一方、基本的なトレーニングのデータは非公開である。なおMITはこのデータにアクセスするための経費は支払わない。ColeyグループではこれまでReaxysデータベースを使い、機械学習逆合成アルゴリズムの訓練を行なってきた。課題の一つは、例えば触媒反応を学習する際に、エントリーの1/5で触媒が特定されていないことがある。これによって間違ったことを学習し、反応は触媒なしで進行すると判定してしまう。もしCASのデータに一貫した注記があれば、このような問題は避けることができる。CASのデータ、貸し出しの方針が出た。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 November 16, p. 6.

20.12.1

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