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反応剤の濃度

 触媒量、光の強度を微調整して反応条件を最適化することは、とりわけ光化学触媒の場合には時間のかかる作業である。例えば光の強度は反応に大きく影響し、理想的な反応条件は、同様の基質の間でも、あるいは異なる研究室の装置でも変化する。そこで一般的な条件を開発するよりも、基質ごとの最適条件を特定したいと研究者らは考えた。すなわち機械学習によって一連の光化学反応を最適化できるRoboChemと呼ばれる自動化フロー化学システムを導入した[1]。RoboChemは1週間あたりおよそ10~20の合成を最適化できる。研究者らはRoboChemに、想定した範囲内でどの条件を変化させるべきかを伝える。するとRoboChemは、発光ダイオードを照射した光反応容器にチューブから650 μlの液体を流して実験を行う。ついでベンチトップのNMRで生成物を分析し、機械学習によって次の実験条件が提案される。このシステムを使って生成物の収率が2倍になった場合もあることから研究者らは、RoboChemを熱や電気化学反応へ拡大したいとしている。

 RoboChemで、冒険です。

[1] Chemical & Engineering News 2024 January 29, p. 7.

DOI: 10.1126/science.adj1817

24.2.12

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