« クマムシは | トップページ | 電子タバコ用の »

リン化合物は

 三価と五価の酸化状態をとり、その相互変換は難しくはない。この特徴を生かしたリンを触媒に用いたC–F結合の活性化が昨年報告された[1]。ただこの場合触媒となるリン化合物は特別に合成された。それに対して今回入手容易な、トリブチルホスフィンが触媒するC–F結合の活性化と続くPh2SiH2による還元が明らかにされた[2]。この反応の発見は、大学院生がZr錯体を用いたC–F活性化反応を探索している際に、予想外の副生成物が得られたことに端を発する。そこで彼女は、この反応にはホスフィン配位子が関わっているのではないかと考え、さらに反応性を調査した結果、たどり着いた。リン化合物は、遷移金属触媒と同様に、C-F結合に酸化的付加し、ヒドロシランのヒドリドがフッ素と入れ替わり、最後に還元的脱離で触媒の再生と生成物を与える。典型元素触媒は今も珍しくて、その開発は挑戦的な課題である。今回の結果はさらにそのようなタイプの探索を促すものであってほしいと研究者は願っている。

 ホスフィン、スフィンクスにはない、多分。

[1] Chemical & Engineering News 2024 February 5, p. 6.

DOI: 10.1021/jacs.2c13318

[2] DOI: 10.1021/jacs.3c10614

24.2.19

|

« クマムシは | トップページ | 電子タバコ用の »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。