水中スピーカーと
水中聴音器を搭載したボートに乗っていた研究チームは、アラスカ東南部で無駄話をするクジラの群れに遭遇し、その会話を録音した[1]。その群れの中の一頭がTwainと名づけられたザトウクジラである。次の日再びTwainに出会った研究者らは、録音していたクジラ語のサウンドを流した。20分以上かけてTwainに対して38回それを放ったところ36回応答があった。これは会話なのかどうかを知るために研究者らは、Twainの振る舞いと応答を分析した。スピーカーから流れる音に対する彼女の応答の回数と、実際のクジラに対する応答の回数を計算した。その結果、彼女は、実際のクジラの群れよりもスピーカーに対してより素早く答えていた。さらにスピーカーと彼女のコンタクトが始まる頃には、彼女はボートに近づきその周りを旋回していた。この段階で最も速く反応し、反応時間と再生間隔が同期していた。これは会話の本質的な要素である発話交代をTwainが行っていたことを示唆している。彼女はその後、38回連続で「はい」と言われたら誰でもそうするように、興奮して泳ぎ去ってしまった。研究チームは、この水性の生き物とのチャットの練習が、地球外生命体とのコンタクトに役立つことを期待している。
クジラに、ジラっと見られたかな。
[1] Chemical & Engineering News 2024 January 29, p. 40.
DOI: 10.7717/peerj.16349
24.2.16
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