« 電気自動車の | トップページ | 環境中にある毒や »

アシネストバクター・バウマニー (A. baumannii)は

 多剤耐性を示す、WHOが最も関心を寄せる、致死的な菌である。それに対して研究者らは、ゾスラバルピンと呼ばれる大環状ペプチドが、リポ多糖体を外膜に移動するのをブロックすることを明らかにした[1]。脂質をシャッフルするタンパク質錯体は、バクテリアごとに異なっているため、今回のペプチドは、A. baumanniiにしか作用しない。またこれまでとは全く異なる機構で作用する抗生物質は、FDAが前回承認したそれから50年以上も経過している。なおA. baumanniiに作用する化合物に関する論文としては2論文目である。昨年、内膜から外膜へ移動する脂質を修飾したタンパク質を移動させる別の系を標的として、人工知能を利用してアバウシンが同定された[2]。アバウシンを発見した研究者によれば、個別の種を正確に標的とする抗生物質は、広範な効き目を示す抗生物質よりも、耐性を引き起こす可能性は低いとのことである。Roche社はすでに、ゾスラバルビンの臨床試験の第一段階を完了した[3]。それは安全で健常者では安全だった。

 老婆心ながら、アバウシンもいいかも。

[1] Chemical & Engineering News 2024 January 15/22, p. 6.

DOI:10.1038/s41586-023-06873-0 and 10.1038/s41586-023-06799-7

[2] DOI: 10.1038/s41589-023-01349-8

[3] DOI: 10.1093/ofid/ofad500.1749

24.2.2

|

« 電気自動車の | トップページ | 環境中にある毒や »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。