クマムシは
体長0.2 から1mmの小さな動物で熊のように歩く。また極端な温度や乾燥の状態にも耐えることができる。このような条件になると、クマムシはボールのようになって冬眠する。この謎解きのための研究中、ストレスが発生すると体の組織で活性酸素種の存在が観測されていた[1]。さらに理解を深めるために、過酸化水素を加えて酸化環境をクマムシに用意した。その結果、クマムシは丸くなった。このことは活性酸素種がクマムシに信号を送り、自らを守る行動を起こしていることを示していた。ついで酸化環境を除去したところ、丸い状態からもとに戻った。活性酸素種はストレスに対応するシステインを含む細胞にダメージを与える。そこでクマムシのシステインをブロックしたところ、クマムシはストレス要因が入り込むまでは完全に幸せだった。すなわちクマムシは、システインの酸化と還元の可逆なシステムを利用しているようである。ただクマムシが代謝の停止とどのように再スタートさせているかは今のところ説明できない。
クマムシがいても、眩しくはないです。
[1] Chemical & Engineering News 2024 February 5, p. 3.
DOI: 10.1371/journal.pone.0295062
24.2.18
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