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柔軟で伸縮自在の

 集積回路をつくるために、カーボンナノチューブ(CNTs)を研究者らは使った[1]。単一のCNTでさえも伸び縮みさせるのは難しいため、ナノチューブのネットワークでは工夫が必要だった。集積回路の基本的な構成要素は、回路の中で電子信号の増幅やスイッチできる薄膜トランジスターである。それは異なる材料で構成されている。電極や接続部のための導体、電流を流すための半導体と回路がショートするのを防ぐために電極を分ける誘電体層である。研究者らはこれらの材料の開発、回路設計、制作技術の全てを10年ほどかけて自らのグループで行なった。伸縮自在のトランジスターは、半導体の性質を有するCNTsとナノチューブを挟むソフトな弾性材料から成る。さらに全ての層のパターンニングの化学も開発し、制作途中に材料の電子的な特性が失われることを防いでいる。ちなみに制作過程は100段階を超えるため、それぞれの段階での収率が99%でも最後には低収率になってしまう。つくった1000のトランジスタは1 mm2の広さに収まりセンシングの回路を導くことができた。これはゴマ種子よりも小さい。さらにこの回路は人の指先の10倍以上の感度である。研究者らは現在、稼働するために必要なエネルギーの低減を目指している。

 ゴマ種子、ごまんとある、でも集積回路に出資された。

[1] Chemical & Engineering News 2024 March 25, p. 4.

DOI:10.1038/s41586-024-07096-7

24.4.2

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