糖尿病の管理は
以前に比べて簡単にはなった一方で、血液中の健康な糖レベルを維持することは未だに容易ではない。インスリンを使いすぎると糖の量が下がりすぎて命の危険に晒される。その時には貯蔵していた糖を放出するホルモンであるグルカゴンが使われる。今回その放出を促す材料がACS Springで発表された[1]。研究者らは、応答性のヒドロゲルやコアセルベートにグルカゴン薬を入れ込んだ。これを糖尿病である動物で試験を行なった。それぞれの材料は、血糖の危険なレベルの低下を軽減させる可能性がある。ただしその応答の緩やかさやグリカンが漏れ出すことは現状の問題点である。それでも今回の系では、糖の過剰を検出するよりも挑戦的な課題である糖の不足を検出することに取り組んでいる点、特筆すべきである。研究者らはさらに、インスリンもグルカゴンも放出できる複合的な系を開発したいとしている。これは健常な人の膵臓が普段行っていることである。
グルカゴンも大切と言っても、過言ではありません。
[1] Chemical & Engineering News 2024 March 25, p. 5.
コアセルベート:コロイドからなる液胞の流動層と液層が入り混じった物体(Wikipedia)
24.4.3
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