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鋳鉄製のフライパンに

 食べ物はこびりつく[1]。これは食べ物とフライパンの間に化学結合が生じるためである。この結合は食べ物分子とフライパン材料の間の分子間ファンデルワールス力を含む熱によって生じるか、二つの間に共有結合が生まれる。タンパク質は調理器具の中の金属原子との間で錯体を形成するために、高タンパク質の食べ物はこびりつきやすい。鉄、炭素、シリコンの合金製である鋳鉄製のフライパンは、こびりつかない特性を示す。フライパンは洗って全体を乾かす。油の薄い膜をフライパンの表面につくり余分な油は拭き取る。これを230 °Cのオーブンに入れて30分間焼いてオーブンの中で冷やす。これを数回繰り返すと、オイルの薄い層が重合し、水分を多く含んだ食べ物と鉄との接触を防ぐために、食べ物のこびりつきを防ぐ。オイルに含まれるトリグリセリドは、長い炭素鎖を有し、その中の炭素–炭素二重結合は重合し大きくて複雑な高分子を形成する。これがフライパンの孔や割れ目に入り込む。カノーラ油のような不飽和脂肪酸の多い油は、より多くの炭素–炭素二重結合を有し、さらに容易に重合する。この処置をしたフライパンを食器洗い洗剤で洗っても、重合した部分にダメージを与えることはない。

 フライパン、風来坊も使うかな。

[1] Chemical & Engineering News 2024 March 25, p. 25.

24.4.11

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